創作小説集 三題話 (オリジナル創作小説集 なまけもののお茶会第9号)
- ¥ 800
7人の筆者が出し合った7つの「お題」単語。その中から各自最低3つ以上使って小説を執筆しました。さて、どんなお話が飛び出すのか? 七者七様の面白いお話が揃いました。お楽しみに! 【今回のお題】 ・月明かり ・香り ・性欲 ・面接 ・遊戯 ・名探偵 ・あの世 以下、掲載作品のご紹介。
不器用でオトナになれない貴方へ 瀬田川 史人
秋の京都。就活に落ち続けていた塩原幸英。その日も最終面接に落ち、やさぐれていたところに、着物美女が店主を務める喫茶店と出逢う。和菓子と日本酒などのペアリングが体験できるという……これは不思議な喫茶店「狐狸夢中(こりむちゅう)」で紡がれる現代ファンタジー奇譚。
逆さまの魔術師 夜桜 朧
紅月の欠けた夜に、メイドのフィオラは怪しいフード男に声を掛けられた。大きなため息を見かねたと言うその男は、水晶玉も持っていないのに占い師を名乗る。久しぶりだからお金も取らないと言うが……リハビリって何だろう? 占い×ファンタジー、現代の手相占いは異世界でも通用するのか?
ダイスを振るのは誰か? 信天翁
火事の日を境に荒船偵斗の世界は一変した。事ある毎に奇妙な幻聴が聞こえるようになったのだ。生徒会からの依頼で『クスクスさん』の噂を調べる中、その幻聴が意味する恐ろしい真実にとうとう気付いてしまう。クトゥルフ神話TRPG風小説、ここに開幕。
『思い出の残り香』 小枝 流
あるかもしれない少し不思議な未来のお話。十六になったばかりの少年が始めたアルバイトは、廃品整理という名の宝探し。時代に取り残された場所、変わった同僚に振り回されながら、彼はそこでいったい何を見るのか。
湯の国の姫とからくり戦記 あさゆきはじめ
時は江戸時代、ところは山奥。のどかな風に硫黄の香り漂う里。この地を治める藩主の妹には、門外不出の不思議な力があるそうな。そんな不思議な力と温泉の効能、そして藩主が趣味で作った珍奇なからくり仕掛けが紡ぐ、湯湧き山踊る痛快浪漫時代劇!
『リナリア』 二木 詞有
日々の出来事に疲れを感じている男の前に、「天使」を名乗る一人の女性が訪れる。彼女は言った。「此処へ来た理由はまだ話せない。数日間、待ってほしい」と。それまでの間、男は彼女の、ささやかな願いを叶えるために時間を共にすることにしたのだった。
七つの短歌 ~文と理の狭間~ 斎藤 栄次郎
お題を全て盛り込んだノンフィクション風小説です。著者である「私」自身を客観視し、二重思考を用いて執筆した作品です。七つの短歌を通じて文学的かつ数学的な美しさを表現しつつ、現代の文理教育に対する提言を盛り込みました。