名も知らぬ詩 Unsung Relay Story
- ¥ 500
Text Revolutions Extra2 にて発刊されたSFリレー小説『名も知らぬ詩 Unsung Relay Story』の電子書籍版です。紙製本版完売につき、電子版が発行されました。 小惑星の衝突により、滅びるであろう地球から旅立った移民船。その、新天地を目指す長く孤独な旅の中。 おのおのがただ、実直に人生を歩んだ三人の名も残らぬ人々の出会いと、得たもの、繋いだもの、遺したものを、三人の著者が描いた物語です。
あらすじ
目的の惑星、カナン到着まで後14年。 船の中が、カナン降下を巡る、管理者グループ内の覇権争いに、一般人移民者との亀裂とキナ臭い様相を表してきた頃、大気循環管理班のエミリオの元に小天体衝突による船体尾部破損の一報が入る。(エミリオPrologue・芸は船を助く/歌峰由子) 清掃センターに勤める一般移民者の寡婦、槇田典子は二人の娘を育てる為に管理者グループの施設を清掃する『特別清掃』を請け負っていた。そんな母の危ない仕事をうすうす感じていた娘の恵は一般移民者の若者が企てる『星雲革命』の実行者にそそのかされ……。(典子Prologue・秘すれば疑なり/いぐあな) 「……降りなくて良いです」 食糧生産管理室の研究者、ジェイドは班のカナン降下候補選定を断った。自分にそんな能力は無い。船に残って研究を続けたい。が、父である元室長は……。 降下を巡る班内の軋轢、親子の確執、そんな中、彼の友人である、はつかねずみロボ、アルジャーノンが行方不明になり……。(ジェイドPrologue・痩せ馬に鞭とネズミ/轂冴凪) (掲載順/敬称略) 三者三様の事情がひょんなことから出会い、共に革命から少女を救うことに……。 移民船という小さな世界の中で起きた、小さな、三人にとっては大切な転機となる事件。 歴史に名前の残らない、アンサングな人々を描いたSF書き三人によるリレー物語です。
世界観
21XX年、地球に小惑星が衝突する可能性が指摘された。大きさは15キロメートル超。衝突地点の地震の規模はマグニュード11、海に落ちれば300メートルの津波が起きる。 軌道計算により、90パーセント以上の確率で、小惑星は地球に衝突する。 この人類滅亡の危機に、国連と国際宇宙事業団は小惑星の軌道を変える計画と共に、それが失敗したときの為の、地球人の他惑星移住計画を推し進めた。 既にドーム型基地が建設され、移民が可能になっていた火星の移民枠は、優秀な研究者や技術者、宇宙開発に多額の資金を援助してきた有志で、直ぐに埋まった。 その他の地球から脱出したいという人達の為に、事業団が提供したのは、資金面と人道的観念から凍結されていた、系外惑星への移民計画だった。 まずはテラフォーミングプログラムを搭載したロボット作業機達が目的の移民星へと飛び立つ。彼等は移民船が辿り着く前に、移民星が居住可能な状態にする。 そして、宇宙船が完成し、搭乗員の選定が終わり、宇宙エレベータから飛び立った。 目的惑星は14光年先。搭乗者は二万人。5代に渡る、船という一つの小さな世界での旅が始まった……。
情報
この電子書籍は令和二年十二月二十六日に発行した書籍「名も知らぬ詩 Unsung Relay story」に、テキレボアンソロ『手紙』で発表した後日談のノベルティを収録し、再編集したものです。 ※本作品の著作権は執筆者の三人にあります。 ※前筆の三人以外の人が、本作品の全部あるいは一部を無断で複製・転載・配信・送信したり、ネット上に転載することを禁止します。 著者(敬称略):いぐあな 歌峰由子 轂冴凪 紙版書籍|A5/196ページ 電子書籍版には、紙書籍版にノベルティ添付されていたSS「手紙」3通と、電子書籍版のあとがきを含みます。 ファイル形式は.epub です。Play Books等のスマートフォンプリインストールビューワや、Kinoppy、楽天kobo等の電子書店が配信するEPUB形式対応の電子書籍ビューワでご利用ください。(Kinoppy、楽天kobo等はPC対応) 電子書籍版発行日:2021年9月24日 ファイルサイズ:約15.4MB
謝辞
紙版に引き続き、編集をしてくださいましたいぐあな様、ありがとうございます!(いぐあなさんのBOOTHはコチラ⇒https://iguana-ippuku.booth.pm/)