副題は「本土配備部隊の朝鮮人兵士の復員と内地在留朝鮮人の送還についての概観」であり、『遥かなる近代』の別冊という扱いである。
第二次世界大戦の終戦後、日本は海外領土、占領地を放棄し、軍隊、民間人の日本本土への帰還復員、引揚を実施した。その一方で、本土、内地に在留する朝鮮人、台湾人、中国人、琉球人の故国への送還を行なった。特に朝鮮人、台湾人については、本土決戦「決号作戦」のため本土に配備されている部隊に所属する軍人、軍属と徴用などで渡航している集団移入労務者、更には戦前からの在住者の送還が必要となった。
本書は朝鮮人の復員と送還にスポットを当て、その状況を概説するものである。