
出番27にて頒布。 オンデマンド中綴じA5/16P ハロパロ:狼人間爆豪×吸血鬼轟 注意:流血シーン、および人肉を食らう表現があります。 *本文* コンコンとドアのノックされる音が部屋に響く。扉の向こうの存在がわかっているが故に、ノックに応じる理由が爆豪にはなかった。居留守を決め込む爆豪が我慢できなくなるか、尚もしつこくドアを鳴らす人物が諦めるか。どちらが先に折れるのかの勝敗は、大抵ドアの向こうに軍配があがる。 「うるせぇ!!帰れ!!」 「お、やっと出てきたな。」 怒号を飛ばされても何食わぬ顔で、表情一つ変えないでドアの前に立ち尽くす男、轟焦凍は、ドアを開けてくれた爆豪に穏やかに相対した。 「てめぇにくれてやるモンはここにはねぇ、帰って棺桶入って死ね!」 「お前だけなんだ、頼む。」 「ンなわきゃねーだろ。俺の他にもいんだろーがっ!」 「一滴だけでもいい。味見させてほしい。」 「しつけえな!なにされてもダメなもんはダメだ。帰れ!」 玄関先で爆豪と轟がこのやり取りをするのは何度目だろう。吸血鬼になぜか目をつけられ、毎日のように部屋の前に押しかけては血をせがんでくる轟と押し問答を繰り返している。爆豪は轟のしつこさに辟易しながら、毎度ドアのノック音に耐え切れず玄関先で怒鳴り立てているのだ。 すでに住人からは騒音の苦情が出ており、管理人からも目をつけられているのだから頭を抱えている状況だ。 野宿をしなくて済むと思っていたが、この男の存在は爆豪にとって思わぬ誤算であった。吸血鬼は忌々しいが、同時に自分の運の無さも呪った。 *本文ここまで* ※表紙は業者様のデザインパターンを使用させていただいております。 発送はあんしんBOOTHパックを使用いたします