二人<上>
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車いすの少女――真藤律葉。 彼女は生まれつき、両目と両足、そして心臓に重い病を負っていた。 そのために幼い頃から病院の中だけで暮らすこととなり、外の世界という自由に焦がれる生活を送っていた。 そんなある日、日課のように訪れていた中庭で、運命的な出会いを果たす。 松葉杖の少年――紫野千陽。 歳は同じくらいで、この病院に入院したきっかけは学校の階段から転落したことによる右足の骨折だと彼は言った。 優しい話し方と、共通する趣味。 中庭で共に過ごす時間はとても楽しくて、少しずつ愛おしさも増していくほどで、この日々がいつまでも続けばいいと願いたくなる二人。 しかし、いつだって時は有限なものであり……。 ※この作品は<上>と<下>の二部構成となっており、<下>は有料(¥100)となりますのでご了承ください。