「たんたんタヌキ♪」の出撃歌! 駆逐艦「桐」の生涯【前編】
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太平洋戦争の末期、自らを「狸部隊」と呼称し、戦闘のたびに「狸(あるいは南無)八幡大菩薩」の旗を掲げ、乗組士官は胸に狸マークのバッジをつけ、しかも出撃時には「たんたんタヌキの〇〇は♪」という歌を皆で合唱していた……という駆逐艦がいた! そんな話、容易に信じる人は少ないのではないでしょうか。太平洋戦争の末期といえば、日本の敗勢が極まり、特攻が日常化し、国民の日常生活も空襲等で崩壊していた時期。あまりに異常で奇想天外です。しかし、この話はどうやら事実だったようなのです。 その駆逐艦の名は桐。松型駆逐艦としての性能と、自前の艦歌、そして「狸部隊」の自称で、過酷な現実に精一杯立ち向かった、日本海軍きっての異色の駆逐艦でした。 今回はその生涯を、これまでにない視点から追おうと思います。
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