MABES「じんだい」―日本初・相乗り衛星の軌跡―
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謎多き衛星「じんだい」の中身が、実験概要が、開発目的が、打ち上げ30周年の年に、一次資料と関係者の証言をもとに明らかになりました。もう謎とは言わせません。
内容詳細
1986年、H-Iロケット1号機で打ち上げられた「じんだい」という人工衛星がありました。それまで衛星をやってこなかったNAL(航空宇宙技術研究所)が、新時代の姿勢制御法を切り開くべく、磁気軸受の宇宙実験を目的として製作した衛星です。この衛星は最終報告書が出ておらず、JAXAのホームページにも詳細がありません。講談社ブルーバックスの『完全図解・宇宙手帳』や、それの元となった『JAXAノート』のイラストも、不思議な線があったりして何だか怪しい。つまりは、「じんだい」の概要を知ることは困難を極めていました。ましてや、衛星の中身などどうしたものか。そう思っていました。 2014年、ひょんなことからこの衛星でプロジェクトマネージャを務められた、元JAXA(統合前のNAL)の中島厚教授の知遇を得ました。千載一遇の機会と「じんだい」の事について教えて欲しいとお願いしたところ、快く許していただけました。 先生のお話は、初めて知ることだらけでした。しかもその時、地上テスト用の構体が現存しているとおっしゃったのです! 先生は長野県の須坂市に私設博物館「宇宙と農業資料館」を開設されました。構体はそこに鎮座していました。初めて目にしたときの喜びは忘れることができません。失われたはずの情報が、現物が、そこにはありました。私たちの取材は、時折そこに行って先生の話を伺い、資料を縦覧して質問をする、ということになりました。 以降、取材と執筆で2年半、79本の参考文献を読み込んで仕上がったのがこの本です。一次資料と関係者の証言に基づく解説書、どうぞご覧下さい。