天の姫君と大海の王子
- ¥ 600
むかしむかし、あるところに。 ヴァイベル国とトゥルビヨン国、二つの大きな国がありました。王様たちは仲よく国を治めていましたが、ある時小さな競争をはじめました。 王様たちの競争は喧嘩に、そして戦争になってしまいました。その戦争は何年も何年も続き、二つの国は恐ろしい魔法兵器を作り、世界を壊してしまったのです。 ヴァイベル国は空を割り、恵みの雨を失いました。トゥルビヨン国は海に魔法の槍を落とし、激怒した海の民に恐ろしい呪いを掛けられてしまったのです。 王様たちは自分たちがしてしまったことにやっと気づき、泣いてお詫びをしました。しかし、泣いても世界は元には戻りません。 王様たちは自分達の大切な家族を空と海に向かわせました。 ヴァイベル国の姫は天へ。トゥルビヨン国の王子は大海の底へ。 魔法の得意なふたりは、壊れた世界を懸命に繕いました。おかげで世界は少しずつ元の美しい姿へと戻っていったのです。大切な家族を失ってしまった王様たちはその後、懸命に国を治めました。争いからは何も生まれません。 ふたりは天の姫君と大海の王子と呼ばれ、いまも空と海の離宮に暮らし、私たちを見守ってくれているのです。 「天の姫君と大海の王子 より」 よくある物語(おとぎばなし)。 貴方はその真実を知りたくはありませんか? 物語の行間にあった出来事を2編構成でお届けします。
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