《prologos》

不死鳥と出会った気がする 山猫を見た気がする 死神に捕われた気がする 鬼に奪われた気がする 不死鳥と出逢った気がする 「何の話なんだ、二階堂」 「幼年の、罰の話ですよ」 大切な■■を失った気がする 頭から何かが無くなった気がする 片足をどこかに置いてきた気がする 片手が夜の黒になった気がする 夢の薬でひとつになれた気がする 失くしたものは全て元通りになる気がする 「何の話なんだ、二階堂」 「幼年の、罰の話ですよ」 其れは、始まりについて。 其れは、罪について。 其れは、終わりについて。 青年はどろりと哂う。 「他愛もない昔話でも、はじめましょうか」