大戦前半の英仏~フランス戦と大戦前半の英空軍~
- ¥ 3,190
B5 無線綴じ 表紙クリアPP / 134ページ (本文130ページ) この商品はpixivFACTORYの同人誌印刷サービス( https://factory.pixiv.net/books )で印刷・製本されます。 [第1部] 1940年5月~6月に、ドイツがベネルクス3国を席巻し、イギリス軍を追い落とし、フランス軍を降伏させた戦いを全体として解説することは、この読み物の狙いではありません。そうした解説は毎年複数、もっと手に入れやすい形で出版されています。この読み物はそうした解説で落とされがちな細部を、当時の公式書類や回想録を使って探検していこうという趣向です。 [第2部・第3部] イギリス空軍は1940年のバトル・オブ・ブリテンに勝ちましたが、ドイツ本土戦略爆撃や陸軍の地上支援と言った仕事がてんこ盛りに残されていました。つまりイギリス空軍が1940年を切り抜け、いよいよ戦略爆撃のできる空軍に変わろうとするところで、ビーヴァーブルックが航空機生産から退陣したことになります。ビーヴァーブルックは何を果たし、何を果たせず辞職したのでしょうか。 ビーヴァーブルックは1940年5月まで、航空機産業との関わりはありませんでした。ですからそれまで航空機生産を差配してきた人物と時には協力し、時には対立することになりました。その代表的な人物が、フリーマン空軍大将です。このふたりを軸として、ランカスター爆撃機に代表される大型戦略爆撃機部隊の立ち上がりまでを語っていくことになります。 このメインストーリーには、切り捨てるには惜しいサブストーリーがあります。陸軍作戦を支援する戦術空軍の発達です。1940年にシュツーカを欲しがったイギリス空軍の望みはかなったのでしょうか。いやその前に、シュツーカのないイギリス空軍は地上支援をどう考えていたのでしょうか。そうしたお話は、続く第3部で扱います。
目次
おしながき 第1部 細かすぎて伝わらないフランス戦役 7 1 はじめに 7 1.1 この読み物について 7 1.2 主な資料について 8 2 ドイツ側の計画変化 11 2.1 最初の計画(10月初旬) 11 2.2 いったんオランダをあきらめる 12 2.3 原マンシュタイン計画(10月31日) 14 2.4 陸軍対ヒトラー(11月の推移、総統指令第8号)17 2.5 シュツルプナーゲルの机上演習(12月) 19 2.6 メヘレン事件と矢印の増えた計画(1月10日と23日)22 2.7 フランスの事情 ベルギーの事情 24 2.8 フランス第7軍の移動察知 25 2.9 マンシュタインの異動(1月下旬以降) 26 2.10 ハルダーの机上演習 28 2.11 ついに焦点はA軍集団へ(2月24日) 29 3 細かくないのに伝わらないオランダ侵攻31 3.1 前説:ドイツ騎兵部隊の憂鬱 31 3.2 第1騎兵師団の疾駆 32 3.3 遠すぎた街~第22空輸師団のデン・ハーグ降下作戦35 コラム:デンマーク侵攻の戦闘序列 39 4 そのとき歴史は静止した 41 4.1 前奏曲~ポックの罵倒(4月) 41 4.2 おさらい: ダンケルクへの道 44 4.3 言ったのは大勢、やったのはひとり 46 4.4 陸軍に命令違反をあおるOKW(の某) 48 5 数えてわかるドイツ軍の全貌 51 5.1 各種資料に見る独仏の戦力比較 51 5.2 ドイツの戦力洗いざらい 52 6 おわりに 56 第1部参照文献リスト 57 閑話休題:フランスはどうして敗れたのか? 59 第2部 ビーヴァーブルックとフリーマン ~バトル・オブ・ブリテン裏面史~ 61 1 新聞男爵 61 1.1 序言:なぜビーヴァーブルックか 61 1.2 どてらいビーヴァーブルック 62 2 あらすじ 63 2.1 主な資料の紹介 63 2.2 問題全体の構造 65 3 木と布から金属へ~イギリス航空機業界の再編~70 3.1 崖っぷちのフリーマン 70 3.2 1930年代半ばのイギリス航空機産業 72 3.3 新技術とメーカー、そしてイギリスと1934年74 3.4 スピットファイア 79 3.5 1938年の転換 82 3.6 開戦、そしてチャーチル内閣 85 3.7 ビーヴァーブルックの退場 88 3.8 フリーマンの異動とダウディングの問題 90 3.9 宴のあとと新型機 91 3.10 航空機生産省に戻るフリーマン 94 幕間 ドイツ軍の地上支援 98 ドイツ軍の地上支援出撃例 102 第2部参照文献リスト 106 第3部 シュツーカがあればドイツ軍など!! ~英米地上支援の明けない夜明け~ 107 1 前史 107 1.1 イギリス 107 1.2 アメリカ 109 2. イギリス空軍対地支援司令部 111 2.1 バラットの報告 111 2.2 Wann-Woodall実験 112 2.3 1941年の北アフリカ 114 2.4 ファイター・コマンド、そしてACCの終わり116 3 トーチ作戦とアメリカ陸軍の地上支援 117 3.1 米英関係とトーチ作戦 117 3.2 アルジェからチュニジアへ 118 3.3 アイルボート作戦(1943年1月) 119 3.4 2月の間奏曲 120 3.5 風雲カセリーヌ街道 125 3.6 宴のあと 127 4 おわりに 128 第3部参照文献リスト(第2部との重複分を除く) 130