
地方の町で静かに暮らしていた二人の義理の兄弟の別れから、再会にいたった不幸せについて。この手を離さなければ幸せだった? しかしそれは誰にもわからないこと。やがて、兄弟は再び遠く遠くその手を離した。 全71ページ、兄弟ものブロマンス (一部BL描写あり)全年齢向け。 ※体調不良描写があります。苦手な方はご注意ください。 ※メリバ要素あり。 *** あの日羽國の家に引き取られて、僕は幸せなはずだった。しかしいつもどこかに違和感を抱えている。せめてと進学し自立するために上京した街で、人生を変える不幸が訪れた。 *** 兄が病みやつれて帰ってきたのは進学から数年の時を経てのことだった。事情は大まかにしか知ることはかなわなかったが、悲しみ苦しんでその身を削るほどのことがあったのは間違いない。 俺がどうしたら彼を救えるのか、何もない日常に一つの願うほどの感情が芽生えていた。彼は兄だけれど兄ではない、あまりに大切でたまらないからその真実に触れようと願うもののその手は果たして届くのだろうか。
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