『陰符経考異』は、『陰符経』を朱熹(朱子学の開祖)が解説した本ですが、実際には弟子の蔡元定が書いたものだろうとも言われています。蔡元定は、朱熹よりも年長で、風水にすぐれていました。そこで朱熹は、蔡元定から風水を学んだそうです。
『陰符経』は、隋代のあたりまでは兵法の本として分類されていたと言われていますが、今に伝わるものは、実際に見てもらえば一目瞭然ですが、兵法の本らしくありません。
唐代の兵法学者でもあった李筌が洞窟で発見したと言われていますが、実際のところは不明です。
このように謎のある本ですが、道教の本としてはすぐれているそうです。今回は、朱熹の注釈もふくめ、まるごと翻訳しました。