アフロディーテ
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魚座のアフロディーテ(聖闘士星矢)のポストカードです。 <サイズ> タテ14.8cm×ヨコ10cm(はがきサイズ) <紙質> ヴァンヌーボVGスノーホワイト195kg <送料> 全国一律370円(ネコポス。受取人住所氏名は発送者には分かりません。)
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聖域から遥か遠く、早春の北欧平原に、悪を倒すべく派遣された魚座の黄金聖闘士。 敵は冥界から湧く無数の巨人とそれを率いる病と死の老女神ヘル。 腐臭を放つ巨人に取り囲まれて尚、美の戦士は悠然と振る舞い、その手から放たれた赤薔薇は死者を再び永遠の眠りにつかせ、黒薔薇は巨人を砕き原子に還した。老女が手勢の全滅を知った時既に、白薔薇がその胸を貫き、神の小宇宙を吸い尽くしていた。 おぞましい不穏な気配は去り、麗らかな陽光と澄んだ蒼天の下、精気に満ち溢れた輝く草原が取り戻された。潔癖な彼は、聖衣の下の汗を流そうと、草原に点在する煌めく湖水の一つで沐浴を始めた。 草原も空も太陽も、全てが彼一人のために存在し、蒼と碧の間に彼一人、天と地の間にただ彼一人が燦然と美しさを誇っていた。 奇しくも今日は彼の誕生日。懐かしい風景に少し子供じみた気分になり、自らの赤薔薇で花冠を作る。勝利の象徴。正義の栄光に与えられ、そして美を完成させるもの。 彼が水から上がった時、視界の隅に巨大な蛆の如く蠢く物体を認識した。刹那、体は宙を舞い、大地に降り様に、足はその首を踏み拉いていた。それは、敗れた老婆が死にきれず、見苦しく這いずる姿であった。 爛れて腐りかけたどす黒い肌から垂れ落ちた眼球が、浅ましくも彼を見上げている。生と勝利と美を体現する、彼の皓く肌理の細かな肌を、彼の風に靡く黄金の髪を、彼の光る薄桃色の唇を、死と醜さを司り今や敗者となった汚物が、悔しげに怨めしげに、そして妬ましく羨ましげに見上げる。 彼は髪を搔き上げ口の端に微笑みさえ浮かべて見下ろす。「ンフ。醜いな、死の女神よ。怨むのならば己の無力を怨め。だが今は、後悔するよりも誇りに思うがいい。このアフロディーテの手に罹って死ねることを。そして冥府に戻って語り伝えるがいい。私の強さと美しさを。」 残る片足が白髪が疎らに生えた頭を踏み躙り、全ては土塊に還る。 そして彼は聖域に凱旋した。