青のレクイエム
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ガタケット173新刊、メギド72の2022年クリスマスイベント「When'd he go into there?」後のカイムとデカラビアの話です。「汝、罪人なりや?」や「復讐の悪魔と怨讐の魔人」のイベントストーリーにも少し触れています。「汝、罪人なりや?」や「復讐の悪魔と怨讐の魔人」のイベントストーリーにも少し触れています。 A5 28P Pixivサンプル https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19019364 (本文より一部抜粋) すり寄ってくる愛猫をフルカネリは抱き上げる。撫でられた猫が喉を鳴らした。目を細める彼の視界で不意に赤がひらめく。無機質な牢屋には不似合いなほど華やかな色には見覚えがあった。仕事柄、人の顔を覚えるのは得意だったし、時折面会に来るデカラビアに付き添っている青年の鮮やかな赤髪は印象に残りやすい。 「君は、確か」 フルカネリが呟く。デカラビアは確かカイムと呼んでいた。 「覚えられてしまいましたか」 「その髪は目立つからね」 ただ、これまでとは装いも雰囲気もいささか異なっている。青年の後ろからデカラビアが歩み出た。 「俺もいるぞ。ククク、まだくたばっていなかったか」 「今日は私めもそちらに用がありまして」 「と、いうと」 青年は手にしたバッグから小さな布の包みを取り出した。 「王都の許可は取ってあります。ああ、危険なものではありませんよ」 壊れ物を扱うように優しく、丁寧に青年は包みを渡した。 中には眼鏡が一つだけ入っていた。レンズがすすけて割れ、、フレームも歪んで元の六角形から大きく形も変わっていたがフルカネリはその眼鏡に見覚えがあった。正確には、その眼鏡の持ち主に。