コミケC101(2022年冬)にて発行した初の同人誌! 古楽に特化したディスクガイド 『#音盤バンバン! 2022もっと古楽を聴きたい人に贈る50+α』 B5フルカラー24P 800円。 紹介音盤数50+4枚(関連音盤12枚) 【BOOTH特典】 コミックマーケットC100で頒布した『古楽レゴ ポストカード(全4種)』からランダムに1枚封入してお送りします。
前書き
『ぽっぷ古楽』は、YouTubeを主なプラットフォームとして、古楽の楽しさを多くの人に伝えるような活動をしている、現役古楽演奏家のユニットです。 動画制作と並行して、2022年を通して、古楽の音盤紹介に特化したポッドキャストの番組『音盤バンバン!』をSpotifyで定期配信してきました。 近年、音盤を手元において鑑賞するというスタイルがますます過去のものとなりつつあります。個人が単体の音源にダイレクトにアクセスしやすくなった一方で、この流れによって音盤に付随していたライナーノーツの内容や録音データなどは音源から切り離され、当初は一つの「作品」として完結していた音盤の価値が、いつか忘れ去られてしまうのではないのかという危惧を持ちました。また、音楽サブスクリプションサービスの中での「オススメ」以外に、受動的に新しいアーティストやレパートリーに出会う機会も減っているのではないでしょうか。各アーティストがそれぞれの思いをもって仕上げたひとつの作品としての音盤の価値を、是非みなさんと共有したいという思いが、この『音盤バンバン!』立ち上げの大きな原動力になっています。《ぽっぷ古楽の色眼鏡》を通した雑多なオススメ音盤たちに、是非この機会に出会ってみませんか? 番組内では各音盤に対する個人的な思いや出会い、セレクトした音源への感想、アーティストにまつわるエピソードや、ブックレットの趣向などを語りました。 私たちが主観でとりあげた音盤は、実に広範囲――中世からルネサンス、バロックに古典派を経てロマン派――におよび、時として新しいジャンルを初めて耳にする方々にはなかなか難しい専門用語が、紹介の中に登場します。しかしながら私たちとしては、まずは耳から入っていただきたいのです!難しいことは抜きにして、皆さんが気になった者から聴いていただき、そのあとで「よくわからないことば」を通じて、ジャンルの詳しいことに興味を持っていただけたら幸いです。 今回はこのランダムに選ばれたたくさんの良盤の中から、聴きたい音盤を見つけやすくしたり、聴きどころを簡潔にお知らせするために、ハッシュタグを付けてみました。国や地域の名前、時代や世紀はレパートリーのことを表しています。故人、現役奏者のタグでは、まだ我々が子の演奏者のライブ演奏を聴くことができるのか、これからも音盤が増える可能性があるのかを示唆しています。また、今や大物と呼ばれる奏者にもあった、渾身のプログラムを組んだであろう「デビュー盤」のタグも作りました。そのほか楽器の編成、主役の楽器などもタグもあります。レパートリーに合わせたオリジナル楽器を使用している場合は、「こだわりの楽器」としました。「モダンの人に届け」は、クラシック音楽がお好きな方は古楽の文脈ではないところで耳にしているであろうレパートリーです。そのほか「イロモノ」「編曲の妙」などパッと見て分からないものは、聴取後に納得していただけると思います。 みなさまがこの本を通してお気に入りの音盤に出会えますように! 2022年12月31日 コミックマーケット C101 ぽっぷ古楽 (オルフェ男・てくに子)