花と負け組 下
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他人の傷に自らの傷を押し付ける。わかってほしくて、感じてほしくて、表現せずにはいられない。 すべてに優しく、すべてに冷酷な『私たち』よ。見届けてほしい。彼らの選んだ表現とその覚悟、慈愛と蹂躙の物語を。 小説家 大滝のぐれ
『花と負け組』あらすじ
プロジェクション・マッピング×連続殺人 2032年、横浜市の高校に通う白井ハルアキは、幼馴染たちとともにプロジェクション・マッピングを制作していた。上級生の卒業式にそれを記念した作品を上映した彼らのもとに、ある人物から巨大企画が持ちかけられる。 その制作のさなか、同市みなとみらい地区で連続して自殺が発生する。彼女たちは全員、とある曲を聴いていたという共通点があった。 音楽で人が死んだ。 そんなわけはないと思うハルアキだったが、どうしてもその曲から、三年前に起こった惨劇を想起せざるをえなかった。2029年、横浜の海辺で死んだ、家族同然だった彼のことを。 俺たちは最低だ。 人の死んだ場所で笑っている。
