4/2　J.GARDEN53　新刊 創作投稿サイト「フジョッシー」や「ピクシブ」等にて公開していた、あるいは現在も公開している作品から「ちょっとヘンテコなお話」を集めた短編集。 ＳＦを名乗るほどサイエンスではなく、ファンタジーと呼ぶほど幻想的でもなく、オチがあるのかないのか、ハピエンなのかメリバなのか、はたまたバドエンなのかもよく分からない。周到に張り巡らせた伏線と、鮮やかな回収といったものもない。もやっとしたまま終わってしまい爽快感もないかもしれない。そんなテイストの作品群です。 1.桃太郎 昔話でお馴染みの桃太郎。 物語は鬼ヶ島にたどりついたところから始まります。 次々と不審死を遂げるお供たち。 現れた鬼は紳士的で、噂で聞いていたのとはどうも様子が違う。 やがて鬼は語り出します。愛する人との出会いと別れ、そして三百年の孤独と漂流を。 2.繭 気怠い午後の授業中、「俺」は堅物の学級委員長の髪がきれいなことに気づいた。思わずその髪に触れると、彼がゆっくり振り向いて…… 3.人魚の約束 男は、月明かりに誘われるがままに浜辺にやってきた。 そこには得も言われぬ美少年がひとり佇んでいた。 謎かけのような会話を重ねながら、男は夢うつつの世界に迷い込んでいく。 4.星月夜 拾った猫には秘密があった。 満月の晩にはその姿を人間に変えるのだ。 だが、ある日その秘密が暴かれそうになり、男はある決心をする。 5.Love Letter 内戦の続く某国で少年の命を救った兵士。 その直後に彼自身が被弾してしまい意識不明に。 目覚めたときには少年の消息はわからなくなってしまっていた。 それから８年。 心身に受けた後遺症に苦しみながら、息を潜めるようにして暮らす男の前に、成長した「あの日の少年」が現れる。 6.レプリカント・ダグ 性的奉仕用アンドロイドの試作を重ねるアレン。 ようやく完成したそれは、かつての恋人・ダグの姿をしていた。 ダグの再生こそがアレンの真の目的だったのだ。 ☆A5判 ☆54P(本文52P)