
「──だから、友達になりませんか」 西暦5000年近く、 海面上昇により陸地の多くを失った地球。 そんな人類を救ったのは、 ヒトから進化し海に呼ばれる、 「人魚」と呼ばれる新人類だった。 それから500年と少し、 人間と人魚の共存が当たり前になった世界。 差別も偏見も敵も味方もない世界で、 一人の人魚と一人の人間が出逢う。 当たり前のような理解を、 受け入れられないヒトビトが。 生まれつき他者と噛み合わない52ヘルツ。 ある時誰にも届かなくなった可聴下音。 ──音というものには、こういう理屈がある。 かけ離れているからこそ、共鳴するのだと。 遠い未来の夏を描いた海モノSF百合中編! 「──だってやっぱりパパとママの言う通り、 初めて見た人魚は綺麗だったんだもの」 a4、90ページ、挿絵三点。書き下ろしありweb再録。
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