文庫/114P
《先の大戦の雪辱を果たすため、我々は戦わなければならない!》――戦争の後遺症で一切の記憶を失った南波晃成は、開戦を報せる勅語を聞いたことで半端に記憶が戻り、軍人然とした人格になってしまう。当然のように志願し、戦場に赴いたが、そこで観たものは想像とおよそかけ離れたものだった。
敵対するカメリアの青年、ルイス・サザーランドもまた自ら望んで戦地に赴いていた。しかしそれは国のためではなく、その身を滅ぼすことを目的としていたのだが……。
それぞれ戦争によって人生と人格を狂わされた青年たちが戦場で出会い、影響を及ぼし合いながら、言葉も通じないまま共闘・迎合する物語。