夏の回廊
- ¥ 300
「夏」をテーマにした、全体的に薄暗い短編集。文庫/76頁 短編小説4作、詩2作を収録。うち短編小説2作はweb未収録の書き下ろし作品。 ▼収録タイトル▼ 『夏の回廊【初夏】』 人生に絶望した「ぼく」のもとを訪れたのは、夏そのものだった。死んだ母の顔をした夏は、「ぼく」に囁きかける。 「夏を巻き戻すには夏をひとつ、命を巻き戻すには命をひとつ、失わなければ」 『花火の夜』(詩) 『ノーサイド・サマーヒーロー』 あと5分で、Y町に核ミサイルが落ちる。それぞれの思いと共に滅亡の時を待つ、Y町の人々の心情を描くオムニバス。 『磯に消ゆ』 多分、さおりに私の気持ちは分からない。夏の海辺を歩く少女らは、ひたすらに磯を目指していた。 鬱屈した思慕、思春期の少女が抱える閉塞感、夏に暴発する激情を暴き出す。 『バニラ・アイスクリーム』(詩) 『夏の回廊【晩夏】』 後悔を引きずりながら夏を歩く女性。彼女の前に現れたのは、夏そのものだった。薄暗い夏を締めくくる、晩夏の物語。