大学に入学して味わった「学び」の挫折。 馴染めない「悪ふざけ」の中でついた深い傷。 誰かの期待に応えたいのに誰の期待にも応えられない「僕」の物語。 「会わせたい人がいる」と言ってきた父さん。 認めたくなかった「新しい母親候補」と「急に出てきた弟候補」。 それがいつの間にか「目が離せない存在」になっていって、自分の心に振り回される「俺」の物語。 血のつながらない弟と兄が、それぞれ自分なりに悩みや怒りを抱えながら、「生」への「答え」を見つけようともがき、光とも呼べないほどか弱い希望の気配を手にする、そんなお話です。 ＊全編を通して この世界で生きていると、色んな人を傷つけて色んな人から傷を受けて、それら全てが完治してくれるわけではないけれど、それでも傷を負った人の傍に大切な人やものが居て、そういう存在が支えてくれる、ということを描いたつもりです。 たまたま持って生まれた属性に付与されていた役割とか、場の雰囲気やしきたりとか、そういうものにうまくなじめなくて苦しくても、人としての真ん中を見てくれる誰かがいる、いてほしい、という祈りが伝われば、と思っています。 仕様：文庫判/118ページ/550円 ※前作「ヨーグルトにかけるはちみつのように」で出てきた登場人物が主人公です。 ※前作を知らないかたも単品で楽しめますのでお気軽に。 pictSPACE：https://pictspace.net/items/detail/455040