一路真実『ライク・ア・メリーゴーラウンド』
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星屑書房主宰の一路真実の作品集です。 年上の女性に恋をした高校生のラブストーリー「ライク・ア・メリーゴーラウンド」など小説2編、エッセイ5編の全7作品収録。 文学フリマ福岡9にて、新刊として出品しました。 B6サイズ/70ページ 2023年12月25日発行 第2版 (以下、一部作品より抜粋) あの人に出会ったのは、小雨の降る葬儀場だった。 前を歩く父親の傘越しに、弔問客に頭を下げ続ける彼女がちらちらと見え隠れしていた。彼女は父の従妹だということは聞いていたけれど、父とは随分と歳が離れているように見えた。 ――「ライク・ア・メリーゴーラウンド」 目を覚ますと、僕の手をしっかり握った母がいた。動かせない体に疑問を持ちながら、目でこの状況を問おうとすると、母が口を開いた。 「サトシ。ミツルくんは自殺しようとしたのかい?」 ――「千人針の空」 初めて見たときは、機関車にリアルな顔がついていて、しかもなぜか皮膚の色はグレーで何とも言えない違和感と怖さがあったのだけど、繰り返し見るうちにそんなことも忘れ、子どもたちと一緒になってトーマスのキャラクターが大好きになった。 ――「きかんしゃトーマスの楽しみ方」
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