妖魔夜行絵巻 -しょうけら-
お一人様2個まで
- ¥ 1,200
文庫サイズ/カバー付/304ページ 「ホラー小説を書いてみる気はないかい?」 若き幻想小説家である御陵彬《みささぎ・あきら》は担当編集者の黒野戒十《くろの・かいと》にそう誘われて、ホラーアンソロジー「黄昏」に小説を寄稿することを決める。 十代でデビューしたものの、その後の五年間は鳴かず飛ばず。その彼女にとって、これが小説家としての最後のチャンスかもしれなかった。 しかし、意気込みに反して全く原稿に手を付けられないまま時は過ぎていく。子供の頃はとても怖がりだった彬。しかし彼女は大人になるにつれ恐怖に対して著しく鈍感になっていた。 人が何に恐怖を覚えるのか。それがわからなければ、自分にはホラー小説など書けないような気がしていた。 後日、黒野の薦めによって彼の友人だという怪奇画家の草壁鞍馬《くさかべ・くらま》と会うことにした彬は、思わせぶりな物言いをする鞍馬に振り回されながら、なんとか「しょうけら」というお題を得る。 しかしその日の夜から彼女は二十四時間常に付き纏う何者かの視線と気配に悩まされ始めるのだった。 WEB掲載済の小説の再録本です。書き下ろし約30頁付き。 カバーイラスト・挿絵:九野 様