🧊復活!🧊 南極誌『P2P(ピーツーピー)』第〇号
- ¥ 2,200
🧊販売再開しました!!🧊 初版のリリース後、数時間のあいだに完売となってしまった南極誌『P2P』ですが、このたびの大好評をうけて増刷がかないました🇦🇶 在庫が補充できましたので販売ページを再公開いたします!! 初版を惜しくも入手できなかった方はこの機会にぜひお求めください🚢 ※注文確認後、研究員がカバーの作成に手作業でとりかかるので、商品の発送に数日かかる場合があります。 🧊商品概要🧊 極セカイ研究所(キョクセカイケンキュウジョ/略称:極セ研)は、主に南極を中心とした極域について、専ら文化的側面からの総合的な研究・批評を行うことを目的とし、批評家の黒嵜想が2023年8月に設立した私設組織です。 このたび極セ研では、2024年3月31日にこれまでの活動の成果をまとめた冊子『P2P』を刊行します。 P2P(ピーツーピー) 第〇号 A5判136頁(大判ポスターを折ったカバー付) 第2版(2024年4月25日発行) 【目次】 「南極の人類学」のスケッチ:森下翔 南極で料理をする際の心得:北田克治 極論:黒嵜想 極北の時空:大石侑香 動中の動、新しき道:アレクサンドル・ポノマリョフ インタビュー 南極ビエンナーレの未来:鴻野わか菜 発行|極セカイ研究所 発行日|2024年3月31日 編集|極セカイ研究所(黒嵜想、沢田朔) 編集協力|長谷川新、福尾匠、藤村南帆、布施琳太郎、米澤柊 デザイン|中家寿之 アートワーク|梅沢和木 協力|山本麻友美 助成|おおさか創造千島財団 ※『P2P』は、極セカイ研究所の事業内容に関する普及啓発活動の一環として発行されます。
所長あいさつ
南極大陸の氷が溶ける。心配ごとはさまざまだ。 これを物理的な「海面上昇」の兆候とすれば、地球温暖化を阻止すべく環境保護活動のステートメントを導くことができる。 または比喩的な「アイスブレイク」の危機とすれば、軍事的な緊張を解くべく平和維持のアクションが導かれる。 あるいは夢想的な「太古の封印」の解放とすれば、神話的な厄災を防ぐべくSFめいたフィクションが導かれる。 人類が南極点へ到達してから、100年以上が経過した。 「国際地球観測年」を契機として作成・発効された南極条約により、南極大陸においては一切の戦闘行為と、領土主張が凍結された。以来この地は、一方では科学者たちによる国際的な協働のもと観測の対象とされ、他方では人類文明あるいは地球の代表地、つまり「平和」や「人類以前/以後」の世界を象徴するジオラマとして扱われてきた。 極大なタイムスケールでわれわれ人類の文化・文明を相対化し、地球の来たるところと行く末を知らせる南極大陸は、現実の国際政治から虚構の物語にいたるまで、世界の方針を占う場所として利用されている。 つまり、南極が有するもっとも巨大な資源とは「イメージ」である。 しかし極地のイメージを利用して作成されたさまざまな世界理解は、数多くの参照とその広範な影響にもかかわらず、人文的・思想的な関心の外におかれている。そして極地をめぐる関心のほとんどもまた、科学的あるいは政治学的なものに占められているように思える。 「極セカイ研究所」は以上のような問題意識のうえで、極地をめぐる批評的な航路を試すために生まれました。批評誌『P2P』の創刊もまた、そのプロジェクトの一環です。 氷の下には、どんなイメージが、「セカイ」が埋まっているのか——。 乗船受付が始まります。 (黒嵜想)