ケイロニア皇帝オクタヴィアの秘密の厨房
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ケイロニアは黒曜宮、ねずみの年、黒の月のエピソードである。 新年を迎える準備に民草がいそがしく行き交うサイロン…。 風が丘なる大宮殿の政務室で、オクタヴィア・ケイロニアスもまた慌ただしい日々を送っていた。 黒死病による深いダメージから立ち上がり、経済危機も古のケイロン城の地下鉱脈によって一息をついた感(GS#138『ケイロンの絆』でのエピソード)はあるが、今も国中から寄せられる陳情書の山はうずたかく、イシュトヴァーンのゴーラ王国を始めとする諸外国の動向からは目が離せない。 かつてイリスと呼ばれ、美しき復讐者としてレイピアを鞘走らせ、サイロンの闇路を疾駈していたあの頃とまた違う、もしかしたらずっと厄介な"敵"とあい見え剣を交わすことになったやもしれぬ。第65代ケイロニア皇帝を受け継いだ彼女は——GS136巻『イリスの炎』を参照して下さいましね。 ——かようにオクタヴィアが対面する悩みは多く憂いは深い。 たとえ中原最高の軍師にして無敗の超戦士、豹頭の男を政事向きの"パートナー"に据えてはいても。 その彼女の胸の奥にあって時折なつかしい香とともに甦ってくるのは、モンゴールはトーラスの《煙とパイプ亭》である。聖王子の名を捨て恋を取った吟遊詩人マリウスと若い母親タヴィアとして過ごしたあの日々。 そんなとき、オクタヴィアのドレスの長い裳裾に、愛らしい足音をさせて小さな翳がしのびよる。彼女に思いもよらない「事件」をもたらそうとして…。 そこで意外な冒険の蓋がひらかれるのだが、あやしくも少々手間のかかるこの事件を、タヴィアの繊手がどのようにして解決にみちびいたか? を、新年を迎えようとするケイロニアの人々に、またグイン・サーガを愛してくれる皆さんにお届けしよう!! が書きだした嘘も云えない動機なのです☆