本のサイズ:A5 総ページ数:108 2024夏コミC104にて初回頒布 近世欧州軍事史備忘録 別冊2に続いて、テイラーの『イタリア戦争の戦争術』の翻訳となります。 別冊2では第4章の騎兵を翻訳しておりますので、今回は第1章から第3章を訳出しています。 第1章は序章として、イタリア戦争の戦争術上の意義を解説しており、近世ヨーロッパ軍事史においてどのようにこの戦争を位置付けるのかを明確にしています。 第2章は戦略を解説しており、戦略的観点からのイタリア戦争の区分と、戦争を通しての戦略の発展を描写しています。 第3章は歩兵を解説しており、この戦争で最も大きく発展した銃兵の役割の拡大を中心に歩兵の発展を描いています。特にこの章は、近世欧州軍事史備忘録 巻3『Pike and Shotの時代』で描いた歩兵に繋がるものであり、合わせて読むことで近世ヨーロッパ歩兵についての理解が深まると考えています。 また上述の翻訳に加えて、コラムを三編加えています。 1つ目はイタリア戦争を通しての、長槍の長さの変化についての考察となります。過去に行われた議論から、当時の長槍がどの程度の長さが合ったのかを明確にしています。 2つ目はこの時代に大きく発展した斉射戦術についての解説となります。同時代の日本では長篠の戦いで三段撃ちが行われたとかつて言われていました。現在では否定されている学説ですが、その一方でヨーロッパではどのように発展したのかを解説しています。2024年に邦訳が出版されたトニオ・アンドラーデ『黒色火薬の時代』を読む際にも参考にして頂ければと思います。 3つ目は歩兵と貴族の関係性についての、当時の逸話を基にした論考となります。当時の貴族の考え方を知る上で参考になる逸話を訳出しており、創作物で貴族を描く際に参考になる者と考えています。 これを機会にぜひ、イタリア戦争に興味を持って頂ければと思います。 試し読みは以下にて実施中。 https://note.com/hatashirorz/n/nef34d680adbd
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