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Firefox関連書籍を複数執筆し、全世界で20万ユーザーが使うFirefox用アドオン「Tree Style Tab」の作者にして、Mozilla Japan公式Firefox応援キャラクター「フォクすけ」のデザイナーでもあるPiroが5万字超の特大ボリュームでお贈りする、(Mozilla方面に偏った)Webブラウザー歴史解説本! 前代未聞、Firefox擬人化キャラクター「ふぉくす子」美麗コスプレによるイメージ写真とともにWebブラウザーの進歩の歴史を俯瞰できるFirefox 20周年記念のメモリアルな一冊を、ぜひお手元に! 本文目次: 第1章 Firefox前史 第2章 第二次ブラウザー戦争 第3章 Firefoxの機能の進歩 ふぉくす子テーマコレクション 第4章 Thunderbird 第5章 Firefoxとコミュニティ ---------------------------------------- BOOTHでご購入頂いた方は特典として、電子版PDFもダウンロード可能です。 ご購入後におまけファイル欄をご確認ください。 また、電子版PDF単体のお手頃価格でのダウンロード販売もあります。 ----------------------------------------
それは何の気なしの軽口から始まった、十数年越しの物語――
Firefox 1.0がリリースされた2004年。inugamix氏によるFirefox擬人化美少女「ふぉくす子」とThunderbird擬人化美少女「さんだば子」が産声を上げた。 その魅力的なキャラクター造形に、ファンイラストを描く者達が同時多発的に表れ、そのうちの一人であったPiroが音頭を取ってサークル「もえじら組」を立ち上げ、ファンイラストの作者達に連絡を取り、ふぉくす子・さんだば子合同誌「Don't touch the red panda! ~ブラウザ娘選択の時代を読み解く!~」(成人向け)を制作。ネットランナー誌よりinugamix氏の下へ贈られたふぉくす子コスプレ衣装一式を借り受け、コスプレ売り子を伴ってコミックマーケット会場へと殴り込みをかけた。 それから数年、サークル「もえじら組」はPiroの個人活動としてふぉくす子&さんだば子の成人向け/全年齢向け同人誌を発表し続け、また複数人が入れ替わり立ち替わりする形でコスプレ売り子も継続していた。 そんな中、借り受けた衣装から自作の衣装へと切り替え、研究を重ねクオリティ向上を果たしコスプレ売り子の最多担当となっていたつぴ氏が、ポツリと漏らした。 「ふぉくす子のコスプレ写真集、作りたいね。さんだば子との併せで。」 いつか実現したいけれど、さんだば子役の目星もなく、実現できるかどうか分からない。その時はまだ、ただの夢物語に過ぎなかった。
夢の実現に向け、いい歳した大人達が再び動き出す――
燃え上がった情熱も、時間と共に冷めてゆく。Piroの多忙化により、いつしか「もえじら組」の活動は途絶えてしまっていた。 その一方で、つぴ氏は一時離れていたコスプレ熱が再燃。他に例のないキャラのコスプレなどを通じて徐々に活動の頻度を上げ始めていた。 「今ならできる、むしろ今しかない!」 つぴ氏とPiroのどちらが言ったか、長らく夢のままだった「ふぉくす子の写真集制作」実現を目指しての挑戦が始まったのは、2022年のことだった。 勝算はあった。2018年にPiroが各方面の協力を得てサークル「シス管系女子会」で制作した「“シス管系女子”利奈みんとイメージ写真集 su mint」でのディレクション経験により、写真集の完成イメージはPiroの脳内にはっきりと描かれていた。 問題は2つあった。“誰が撮るか”、そして“誰を撮るか”だ。
カメラマン・Piroの再出発――
「su mint」では活動歴も長く実績のあるカメラマンの方に撮影を依頼したが、折悪く、今回その方に撮影を依頼することは諸事情から難しかった。 あてを失い途方に暮れるPiroの背中を押したのは、つぴ氏だった。 「これからPiroが撮影技術を身につければいい。練習には付き合うから。それに、Firefoxとふぉくす子に思い入れが強いPiroが撮影も行えば、よりイメージどおりの物を制作できるのでは。」 そう、Piroにも十年ほど前に一時期だけ、入門機のカメラを手にコスプレ撮影会に参加していた時期はあった。しかし、当時は写真撮影の世界に本格的に飛び込む腹を括りきれず、また撮影技術の未熟さ故の撮れ高の低さに絶望し、カメラマンとして挫折しフェードアウトしたままの状態となっていたのだ。 つぴ氏におだてられて気を良くしたPiroは、改めて最新のミラーレス一眼カメラを手にし、四十の手習いで一から撮影技術を学び直し始めた。 イメージする画を実現するためのセンサーサイズとレンズの選択。被写体をより綺麗に写すためのライティングの組み方。腕前の不足を補うための数々の機材と高性能な現像ソフトの導入。グダグダ泣き言を言わず、被写体の持つ魅力を最大限に引き出すために何でもする。なりふり構ってはいられない。今が雪辱の時だった。
特別ゲストの招致、そして本格技術同人誌への深化――
企画が頓挫していたもう一つの原因である、「さんだば子との併せ撮影の、さんだば子役をどうするか」という課題。 駄目で元々、どうせやるのなら理想を追求してみよう。Piroとつぴ氏は、考えられる相手の中で最良の人に白羽の矢を立て、コンタクトを取った。小惑星探査機「はやぶさ」の擬人化コスプレで知られた、“秋の「」”氏である。もえじら組の活動期に、コミケのコスプレ更衣室につぴ氏が持ち込んでいた「フォクすけ」のぬいぐるみに目を留めて声をかけてくださって以来の縁だった。 交渉のための会食において、PiroによるFirefoxとThunderbirdのエピソードトークも交えた企画説明を聞いた秋の「」氏から、一つの提案が発された。 「写真だけでなく、今聞いたようなFirefoxの技術解説もあるといいですよね。」 小惑星探査機はやぶさへの強い思い入れから、JAXAでのロケ撮影を敢行し、本職の専門家による解説文をも収録して自ら写真集同人誌を制作した、秋の「」氏ならではの視点だった。
ブラウザー・Firefoxの住まう世界を切り取る――
秋の「」氏に出演を快諾頂けたことで、最後のピースが埋まった。「絶対に良い物を、自分が本当に見たい物を作る」と決意を固め、制作はさらに進む。 欲しいのは、ブラウザー・Firefoxの活躍をイメージさせる画。CGの合成でのデジタル空間の表現という手法もあったが、Piroは現実の空間を切り取った「見立て」撮影にこだわった。 コスプレ撮影スタジオのブースを飛び出し、レーザービームの飛び交うクラブ、アクアリムが闇に浮かぶ美術館、埃の舞う廃工場、陽光差し込む洞窟、夏の砂浜に遊園地にと、ロケ撮影に繰り出した。ふぉくす子という非現実の存在により、それらは画面の中で「ブラウザーが住まう空想世界」へと姿を変えていった。 また、Mozillaゆかりの場所として、かつてMozilla Japanとして知られたWebDINO Japanの協力も得て、オフィス内でのロケ撮影も実現。現実のオフィスにふぉくす子・さんだば子が姿を見せる、夢と現実が交錯する空間が、そこに現出した。
Webブラウザーの歴史を総ざらいする、「分厚くて重くて高い、薄い本」――
Webの黎明期に産声を上げたMosaicに端を発するFirefoxの歴史を辿ることは、Webの歴史そのものを辿ることに近い。 秋の「」氏の提案に触発され、当事者の一人として公私両面で20年以上Mozillaに関わり続けてきたPiroが、その経験と持てる知識、そして思い入れを注ぎ込んで書き上げた、WWWの誕生から現在に至るまでのWebブラウザーの歴史解説は、5万字超に及ぶ。 それはもはや、写真の添え物としてのフレーバーテキストの域を超越し、1つの読み物として成立していた。 写真集として、写真を大きく綺麗に魅せたい。 しかし、40を超えた自分のような世代の人間でも楽しめるように、テキストは可能な限り読みやすくしたい。 両者のせめぎ合いから、版型は大判のA4とし、1万枚以上に及ぶ写真の中から厳選に厳選を重ねた180枚あまりをレイアウトして最終的に導き出された分量は、表紙を含めて122ページ。本文フルカラーのため、値段も跳ね上がった。印刷代だけで原価3500円超。完売しても大赤字である。 だが、それでも形にしたい物があった。 「薄い本」と言うにはあまりにも大きすぎ、ぶ厚く、重く、そして高価すぎた。 しかしそれだけに、手に取った時の満足感は、他に代えがたい一品となったのは間違い無い。 Firefox 1.0のリリースから20周年の年に刊行するに相応しい、メモリアルな一冊。 前代未聞のコスプレ写真集・Webブラウザー歴史解説書「Moezilla Historica」を、あなたの蔵書に加えて頂ければ幸いである。
物理本から、電子データへ――
かくして、様々な努力と奇蹟の積み重なりにより、Webの歴史を総ざらいする重厚かつメモリアルな一冊として完成した「Moezilla Historica」。 しかし、世界情勢からくる紙の価格の高騰など、やむを得ない事情のために、制作コストは印刷代だけでも3500円に及んだ。 「所有の歓びに価値を見出す人向けの物」という位置付けから、当初は電子版の制作は予定していなかった本作。 しかし、紙媒体の本が想定以上の高価さとなったことから、手を出しやすい価格の頒布形態もまた必要であるように思われた。 そこでダウンロード販売用として制作したものが、この電子版(PDF版)である。 だが、一つ悩ましい点があった。それは、「電子データの体裁をどのようにするか」だった。 コスプレ写真集の電子版は一般的に、個々の写真をスライドショー形式で閲覧する「コスプレROM」の形式を取ることが多い。 他方、商業・同人を問わず技術書の電子版は、様々な端末ごとに最適な文字サイズで本文をじっくり読めるよう、HTMLを元に仕様化されたEPUB形式でリリースされることが多い。 コスプレROMと技術書、どちらの体裁に寄せるか。両方の性質を持つ本書にとっては、難しい判断が必要だった。 物理媒体ならではの所有の歓びを感じてもらいたい。 そのこだわりから「分厚くて、重い」同人誌となった本作の頒布価格は、会場頒布の場合でも4000円。委託通販では赤字の価格設定でも5000円超と、気軽には手を出しにくい物になってしまった。
物理媒体版の読書体験を、電子版でも――
本作は、歴史解説の本文に合わせた写真を選出し、本文と並べてレイアウトする形で制作しており、PCのディスプレイなど大きめの画面で両者を並列して眺めて楽しむビジュアルブックの性質が強い。 その独特の読書体験を電子版でも維持するため、選択した形態は「紙版でのレイアウトそのままでの電子化」だった。 だが、その制作は実のところ労力を要するもので、「印刷用データをそのままPDF形式で出力し直すだけ」とはいかなかった。 印刷用のデータとして制作された元データは、見開き単位で制作されており、1ページ単位のPDFにするためには、全ページを個別に切り出す作業が必要であった。 また、印刷用データには「裁断を前提に、想定する本のサイズよりも広めの範囲に写真を拡大配置する」といった紙媒体の本用に特有のデータが仕込まれていたが、電子版では無用となることから、それらを除去する必要もあった。 高密度・高解像度のディスプレイでの閲覧にも耐えるよう、画像の解像度は300ppiを基準に出力。 出来上がったのは、表紙を含めて全122ページ、197MBのデータである。 タブレット端末などでの閲覧にも適した電子版Moezilla Historica。 お好みのスタイルで閲覧して頂き、Webの歴史に思いを馳せてもらえれば幸いである。