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クル監/A5/P40 ※16歳のクルーウェル×18歳(3年生)の監督生♀ ※監督生【ユウ】表記あり ※ご都合展開にて年齢操作&ボロ寮で同居生活中 (本文より) この世界で、この場所で。 生きてきた、三年間に。 困ったことはたくさんあったけれど。 慣れないことも驚くことも、まだまだたくさんあるのだけれど。 「慣れました」 私がどこで立ち止まっても。 私がそこにうずくまっても。 時間はいつも、笑いながら過ぎていく。 だったら。 流れる時と一緒に、笑っていた方がずっといい。 たとえそれが、空元気でも。 ゴーストカメラにおさめた、たくさんの記憶。 辛くて、悔しくて、惜しくて、届かなくて。 絶望して、怒って、泣き喚いて。 足掻いて、叫んで、世界を責めて。 でも、なにも駄目にはならなかった。 「それに、先生方が良くしてくださるので」 どんなときも最後には、笑いあった仲間。 私達が前を向いていられるのは、私達のために怒って、笑って、泣いてくれる人がいるから。 それも、時には、私達よりずっと激しく。 「……何とかなりますよ」 「俺は別に、」 「大丈夫です。何とかなります」 秋の夜は、賑やかに慌ただしく、 冬の間、雪は溶けない。 桜の季節、別れは来なくて、 夏の星に、夢を送る。 それで一年、季節は巡る。 確かに、この世界を慣れ親しんだ故郷と比べてしまうこともあるけれど。 「先生、」 花が咲けば、植物園で。 星が降れば、魔法薬学室で。 風が歌えば、林檎の下で。 夢が踊れば、音楽室で。 ――悪戯心は、クルーウェル先生の部屋で。 世界に出会えた喜びの、ひとつひとつは小さなものだったけれど。 いつも最初に思い出すのは、夜に輝く三ッツ星。 「オリオンの心臓を見に行きましょう」 「…………は?」 「この学園に来てすぐの頃、先生が言ったんです」 右も左もわからない場所で、焦ってばかりで。 何もかもが上手くいかないまま、渇いた思いに振り回されていた私に。 「オリオンの心臓を見に行こう、きっと願いが叶うって」 (一部抜粋)