自分が産声を上げて助産師に取り上げられた、分娩室の風景を覚えている人間は誰もいないだろう。皆、それぞれに原初の体験、原風景があるが生まれた瞬間などは誰も覚えていないだろう。 　俺の第二の生を彩るあの日を思い出す。 　煤けた家の壁、破壊された内装から除く配管とコード。所々断線して散る火花。 　いつもと変わらない帰宅のはずだった。 　ロボットこそが史上の存在と考える研究者、黒沼博士。 　政府からの監視者兼保護者、空知瀨奈さん。 　俺の命を狙う追跡者、拳（ケン）。 　黒沼博士と内通する自衛省の役人、圓田氏。 　機陵高校の人工知能担当教師、住野谷先生。 　3年生になった俺たちのクラスへの転入生、五道息吹。 　ロボット工学の権威を両親に持つ高校生岩清水恵助。 彼の元にある日、ロボットと名乗る一人の女性がやってくる。 　文庫サイズ、カバー付き、84P（あとがきなどを含む）。 続編にあたります。 前の巻：自我（ギガ）#4　opportunity https://nanamitohgarashi.booth.pm/items/5541218 自我（ギガ） https://www.pixiv.net/novel/series/9567761 #22 懐疑の念、消えず　から　#25 次　までを収録。 続きました。 まだ続きます。