「知りたいと、思った。彼女の愛を、その全てを」
僕の名前は行野翔平。
長所は誰とでも仲良くできる事、短所はあんまり親密な関係を作れない事。
夏も過ぎかけのある日……僕は、クラスのおふざけグループが企画した悪魔召喚の儀式に巻き込まれてしまう。
やむを得ず協力した末、召喚されたのは──────息を呑むくらいに綺麗な女悪魔、モルゼナ・ヘルメーシュだった。
「契約は成立です。これから、よろしくお願い致しますね」
水に垂らしたインクみたいに、彼女という非日常が僕の日常をどんどん変えていく。
止まっていた一歩を、後押しするみたいに。