
*一次創作小説 *ヒューマンドラマ *A6(文庫本サイズ) *154ページ(本文用紙150ページ) *収録タイトル 「52Hzのジオラマ」(小説サイトに掲載中) 大衆雑誌の記者となって1年の『俺』は、連続殺人事件の犯人をスクープしようと人魚伝説でかつて一世を風靡した港町へやって来た。 その港町には怪しい伝説があった。 数百年前、町に偶然打ち上げられた人魚。当時の住人たちは不老不死を求めて人魚を食べたという言い伝え。 しかしそこで出会ったのは、殺人犯でも人魚でもなく、恐ろしい見た目をした半魚人だった。 人間を喰らう半魚人と死を渇望する『俺』。 彼らの頭上に流星群が降り注ぐとき、奇跡が起きる—— 「散れ散れ、満ちろ。」 20歳になったら一緒に死のう。 生き延びて、30歳になったとき、お互いが独身だったら結婚しよう。 かつて、涼風まどかと倉持宗佑はそんな約束を交わした。 その約束はどちらも果たされることはなかった。宗佑は別の女性と結婚し、まどかとは疎遠になったからだ。 40歳を迎える直前、まどかの前に憔悴した宗佑が突然現れた。 彼はまどかに懇願する。 「僕のことを殺してくれないか」 ふたりの間で交わされた、もうひとつの約束。 それは、『40歳になって、どちらかが死にたがっていたら、殺してあげよう』というものだった。 当然ながら今のまどかにそんな意志はなく―― *表紙、扉:トエさま *収録作品はすべてフィクションです。実際の人物・団体とは関係がありません。