
君と話すことなど、幾夜あっても足りない。
■シナリオ諸元
プレイヤー人数:1人 推奨PC逸話数:特になし 篇:5つ 脇役:アロイス・エーベルス もしくはPCに親しい人物
■物語の概要
貴卿は眠りから目を覚ます。見上げれば真祖なき夜空を背に木々の頭がこちらを覗き込んでいた。森の中、鼓膜に焚火の爆ぜる音が届く。そこには如何にも安穏とした顔で、貴卿の目覚めを待つ友がいた。 「やあ、目覚めたかい。早速だけど、状況はわかるかな」 貴卿は思い出す。確か、この友と堕落者の討伐を命じられたはずだ。その旨を話せば友は満足げに頷いた。 「その通り。しかし厄介なことに、堕落者が領域に我々を閉じ込めた。打開策は今のところない」 だから、と友はどこからともなく湯気の立つ茶器を出し、貴卿に手渡した。 「動きがあるまで待とう。なに、君と話すことなど幾夜あっても足りない」 穏やかなる停滞。微睡みの輪。貴卿は友と、長い夜を過ごすこととなった。 ―灯火に挑む蛾は勇猛と称するのだろうか。 ※注意 ・このシナリオは【堕落】の可能性が高く、過去や道が変わる可能性が非常に高いシナリオとなっている。上記を避ける場合はルージュや【潤い】を与えやすい/得やすいPCを推奨する。 ・登場する脇役について、3パターンから選択できる。DR、PLで要相談。 ①シナリオ付属脇役、アロイス・エーベルスを採用する。【堕落】の可能性はやや下がる。 ②PCの既知の脇役(PC)で[行い]はシナリオ付属のものを採用する。シナリオ進行が優先となるため行動指針がもとの脇役(PC)から多少変わる可能性あり。【堕落】の可能性はやや下がる。 ③PCの既知の脇役(PC)をそのまま採用する。【堕落】の可能性は未知、シナリオ想定よりも高くなる可能性もある。
■ハンドアウトとシナリオ提案NPC
・ハンドアウト:森の奥にて 消えざる絆:アロイス[友] もしくは 代替のNPC[友] 推奨の道:なし ただしルージュや【潤い】をためやすい[行い]を推奨する 序言:貴卿/御身は森の中で目を覚ました。傍らには呑気な顔で焚火を眺める友がいる。貴卿/御身は堕落者の討伐の命を受け、この友と出立したはずであった。しかし標的を下した記憶はない。にも拘らず、いつのまにやら眠りにつくほどの疲労を受けていたらしい。 ・NPC:『雲水卿』アロイス・エーベルス 〔男、叙勲年齢25歳、騎士歴?年、煌めく息吹を感じる緑の瞳、死者の如き灰白の髪、蠱惑的な長い指、朗らかな美声〕 諸国を周遊する気ままな騎士。よく言えばおおらか、悪く言えば適当な性格で、安請け合いをした頼まれごとによって自身や周囲が不測の事態に巻き込まれることも数多ある。紆余曲折を経て最終的にはうまく物事を治めるため、憎まれることはそうそうない。貴卿/御身の友である。
■書籍概要
❖A5サイズ/36ページ ❖発行日:2025年5月18日 ❖印刷所:株式会社栄光 ‐‐‐‐‐ 本作は、「神谷涼」「インコグ・ラボ」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『常夜国騎士譚RPG ドラクルージュ』の二次創作物です。 (C)神谷涼/インコグ・ラボ