No Book No Life vol.2
- 支払いから発送までの日数:3日以内あんしんBOOTHパックで配送予定物販商品(自宅から発送)¥ 500

今号で通算3号となる『No Book No Life』Vol.2を文学フリマ岩手10で初頒布です。 (初号はVol.0でした) 『No Book No Life』は、あえて同人というスタイルを取らない応募型の文芸誌です。 今号のVo.2では三島由紀夫生誕100年ということで、「三島作品の題名で掌編を自由に創る」を特集にしています。 ・巻頭詩 「夜鳴き蝉」MAKIRONSAN 岩手の文芸サークル「一本桜の会」のブログにて精力的に詩の発表をしているMAKIRONSAN. せつなさとたぎる想いが溢れる。 特集・三島作品の題名で掌編を自由に創る ・「金閣寺」へいた 戦争の前にあった金閣寺のような金閣寺ではない建物。そんな謎の建物をモチーフとしてパラレルワールドに入る主人公。 ・「禁色」笹平拓 世間から姿を消した無名画家の作品を探す主人公。ある時、ネットオークションに見た記憶がある絵画が出品されていた。 ・「真夏の死」藍沢篠 昭和20年真夏の広島。勤労奉仕に明け暮れる恵子は日常と化している戦争の中をたくましく生きている。ある日の朝、家族で朝食を食べていたときに…… ・「仮面の告白」千織 マッチングアプリで若い恋人を探す僕は大学生の聖也と出会う。性体験がなくコミュ障を自称する聖也とのはじめての夜を特別な夜にするために僕は…… ・「愛の渇き」千織 さくらまつりで聞こえてきた箏で奏でられた「さくらさくら」……大学に入ったばかりの宮島は「さくらさくら」の奏者を追い求めて苦悩し渇望する。 ・「午後の曳航」中里ハルト 計器の数値を読み取るのが苦手な南国生まれの伊波。老齢の先輩から𠮟責を受けながらも職務をこなそうとするが、伊波は限界を迎えようとしていた。 ・「春の雪」藤原佑月 卒業式の日の朝、春の雪が降る。ざわめく教室と静謐な雪の狭間。僕は過ぎてゆく時間に立ちすくみ、全身でそれを受容しようとした…… ・「音楽」浅野文月 不確かな存在を起点に、現実と意味、記憶と映像が錯綜する。存在とはなにか、認識とはなにか。切り裂くような不協和音と目覚めるその瞬間。 ・「美しい星」常世田美穂 おにいちゃんの手の中には「てちゃ」という星がある。誰にも渡したくないその星をめぐって、おにいちゃんは孤独を知り、葛藤が深まっていく。 ・「天人五衰」白夜流凪 古刹の天井に描かれている飛天は自身の姿が修復されていくのを静かに見つめる。忘却と再生、美と無情のあわいで、かつての天女は雲となり僧となり、悟りの境地へと至る。 ・6つの折り句 雨宮汐里 朝焼けに響く雷鳴 約束と傷痕 崩壊した地にてソナチネ 花は散るらむ夜明け前 さようならの花束を 星空と幻燈 〈アクロスティック(折り句)という表現方法を実験的精神でもって、膨大な語彙を使い、縦横無尽に駆け抜ける。そこに観える映像的詩感!〉 ・短歌十二首 月夜案山子 現代的な感性と古典的な叙情が共存する歌人の詠む歌には、孤独とやさしさが滲んでいる。 ・短歌「恋の歌」中里治人 様々な文学に携わる作者による「恋の歌」…… 今を生きる感性と古くからある恋の情緒を詠む。 ・詩「霧の体」水上洋甫 自然と人工物、記憶と時間など対象を交錯させる詩的世界を展開する。静謐な現代的感覚に根差した作品 ・詩「あいさつ」大島芳 透明感と季節感が溶けあい、優しくも、小さなせつなさが通り過ぎる朝の光景。 ・三篇の詩 藍沢篠 アウェイクン セレスティアル フランベ 〈やさしく澄んだことばで、現代人の孤独と希望、そして詩人自身の「めざめ」を静かに照らす〉 ・詩「朝日に向かって飛んでいく」佐々木漣 言語の奔流を制御せずに解き放ち、終末と再生、文明批判を一気呵成に描く長大なモノローグ。 エセ― ・雨庭有沙「本と本屋のために生きていく」 本がないと生きていけない 読書が心のバロメータ、本屋は人生のオアシス。脚本家として生きつつ、いつか自分の小説が書店に並ぶのを夢見て、本と本屋への愛を綴った読書エセ―。 ・疋薫「人生の風景と味」 人生の節目に寄り添ってくれた「味」の記憶をたどるエセ―。……思いでの数だけ味があり、味の数だけ物語がある。 ・松橋禿鷹「オンラインゲームにおけるキャラクターとプレイヤーの性格について」 オンラインゲームの魅力と人間関係の複雑さを描く。性別を巡る誤解や恋愛、出会いのリスクに触れつつ、プレイヤー個々の判断の大切さを考察する社会派エセ―。 ・木村吏沙「運命の人—―出会いの軌跡についての考察」 「運命の人」は本当にいるのか? 二度の離婚を経験した作者が行き着いた答えとは、愛とは「出会い」より「育てること」 サン=テグジュペリと妻コンスエロの破天荒な愛をヒントにツインレイ幻想を問い直す。