




僕はちっぽけな虫だから 燕は戦闘機のように 地面を鳴らして飛ぶだろう 雨は焼夷弾のように降るだろう 帰る家さえなくして 都市に消え入る全ての羽音が 恐ろしく木霊するだろう 開く花弁の擦れる音が 花火のように乱れ飛ぶ 一面の野を目にするだろう ーーー日本現代詩人会詩投稿38期入選作「花火」 序 無意味から・・・・・・・・・・2 Ⅰ 天秤 血・・・・・・・・・・・・・・9 街灯・・・・・・・・・・・・・10 蛭・・・・・・・・・・・・・・12 ひったくり・・・・・・・・・・15 原告過失・・・・・・・・・・・17 臆病・・・・・・・・・・・・・21 天秤・・・・・・・・・・・・・23 Ⅱ 生きなおす タッチダウン!・・・・・・・・27 蝶になったら・・・・・・・・・31 突風・・・・・・・・・・・・・33 たとえばの話・・・・・・・・・35 鏡面・・・・・・・・・・・・・39 マトリョシカ・・・・・・・・・40 生きなおす・・・・・・・・・・42 Ⅲ 都市の果実 初恋・・・・・・・・・・・・・47 富士九合目にて・・・・・・・・48 ベイタウンのうた・・・・・・・51 胸いっぱいの愛を・・・・・・・55 都市の果実・・・・・・・・・・58 ない色、ある色・・・・・・・・62 幸せは布団乾燥機・・・・・・・64 Ⅳ 血が流れているだけ 花火・・・・・・・・・・・・・70 ベンガラ色の髪の息子・・・・・73 綻び・・・・・・・・・・・・・76 ホモ・エコノミクス・・・・・・79 ポートレイト・・・・・・・・・80 アキレスと亀とアキレスと亀・・84 血が流れているだけ・・・・・・87 レインコート・・・・・・・・・92 計99 子鹿の恍惚 鼠の心臓 人毛、斑紋、小さなポケット ヘリウム風船 深紅の花弁 地平曲線と落下傘 よく見ろ、よく見ろ、これが僕 空洞の鳴るマトリョシカ リップスティック シアーの黒シャツ 十七号と酢酸エチル よく見ろ、よく見ろ、これが僕 逆子を秘めるマトリョシカ ーーー「マトリョシカ」 触れるたび傷つき、傷つくたび治ってゆく。 他者と生きることを諦めない、あなたに贈る詩集。 ※紙書籍の販売について※ 紙書籍はリアルイベントで販売しています。 電子版をご購入いただいた方には、紙版をリアルイベントにて無料でお渡しすることができます。ご希望の方は、Xにて詳細をご確認ください。




