ボクラ・ネクラ 第六集
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B5 162ページ 大ボリュームでお届け! 令和5年刊行のミステリ評論集『現代ミステリとは何か』読書会記録をはじめ、評論もバラエティー豊かに揃いました。 特別企画「令和ミステリ批評を位置づける 『現代ミステリとは何か』編」 新本格は現代社会との訣別を宣言して幕を開けた。では、その流れを汲む現代ミステリは、時代を反映しうるのだろうか?批評はそのことを炙り出すことができるのか? 現代/ミステリ/批評の関係を問い直す読書会。 個人評論①秋好亮平「名探偵たちのいる風景」 現代日本には名探偵が溢れ返っている。人々は名探偵の活躍する物語を求めている。しかし、何故名探偵が必要なのか? 今日もはや当たり前のものとなった名探偵たちのいるこの国の風景について、それがいかなる意味を持つのかを考える。 個人評論②唐波はやな「談話分析からみる推理小説―読者は作者の仕掛けをどう捉えているのか―」 殊能将之『ハサミ男』を題材に、言語学の視点からトリックを分析、さらに読者へのアンケートを実施することで推理小説のトリックの捉え方をみていく。 個人評論③用B「「そこに居なかっただけ」の日々を生きる―地下と星座と『うわの空』」 ドイツ・ベルリンの街角で、至るところに貼られたシールの謎を追い、辿り着いた先は地下空間。「そこ」では何が見出され、何が見出されなかったのか。非日常の推理と日常の営為の狭間から考える。 個人評論④荒岸来穂「バックヤードの認識論 ―『私の百合はお仕事です!』論」 『わたゆり』には不思議なことにスパイミステリのような部分がある。サスペンスを生む「嘘/本当」という二項対立の攪乱。そこには「百合」が持つクィアとしての可能性がある。少女たちが紡ぐ新たな関係性のための考察。 個人評論⑤ 川口士「もはや彼岸の少女たち」 「時間を排除した」とさえ語られる日常系のイモータルな少女たちは『結城友奈は勇者である』にて死を取り戻そうとしたものの失敗した。 この失敗の分析の後、少女たちが死を取り戻すためのたった0つの冴えたやり方を『リコリス・リコイル』から分析する。 個人評論⑥マキノ猶一「少女と妖精の労働・差別解放譚―『シュガーアップル・ フェアリーテイル』評』」 働くことを通じて他者と関わること、他者の尊厳を回復すること。現役サラリーマンが労働と差別の問題に真っ向からぶつかる少女向けファンタジー小説・アニメを紹介。 個人評論⑦髙埜一木「アルとマックスの子供たち― “殺し屋” の系譜:誕生編」 おおよその市民にとってフィクショナルな存在でありながら、ある種自明の存在として物語に登場する“殺し屋”という職業。その言葉の誕生を起点として、殺し屋たちのイメージの系譜を紐とく試みの始まり。 個人評論⑧江永泉「不法的推理―平成期日本の事例」 ポスト・トゥルース時代におけるミステリの楽しみとは何か。でっちあげのデタラメな推理、くだらなくて犯罪的な推理、もう救いがあるのかないのかわからない最悪な推理。本格ミステリの正道の外にあるかもしれない邪道なそれらの、力を吟味する。
キーワード
倒叙ミステリ、言語学とミステリ、『ベルリンうわの空』、『私の百合はお仕事です!』、『シュガーアップル・フェアリーテイル』、“殺し屋”の誕生……
