美しい自殺なんてありません。ドラマでは致死量の薬物を飲み干して終わりですが、現実では、全身の穴という穴から内容物を垂れ流し、のたうち回ります。高所から飛び降りた場合には、全身がジグソーパズルのように骨折し、血肉はカエルのように地面にへばりつきます。 万が一自殺に失敗した場合には、おそらく何らかの身体的機能を失うことになるでしょう。 雪山で凍死を試みたのなら、凍傷で耳や鼻、手足の指などの末端部分の壊死。 列車への飛び込みなら四肢切断。 首吊りなら半身不随。 万が一成功したとして、飛び散った肉片や垂れ流した糞尿は誰に拭かせるのでしょうか。 そして最も不幸なのは、今までの自分が健康で、何不自由なく暮らせていたのを覚えていることです。 ここまで申し上げても自殺なさるのですね。わかりました、あなたが後悔しないように、数ある自殺方法と、そのリスクをご説明しましょう。 目次 ① 縊死 ② 飛び降り ③ 薬物 ④ 入水 ⑤ 飛び込み ⑥ 練炭 ⑦ 硫化水素 ⑧ ヘリウムガス ⑨ 凍死 ⑩ 焼身 ⑪ 餓死 ⑫ 失血死 ⑬ 拳銃 ⑭ 感電 その他の手法 さいごに 本書の目的は、誰かの自殺を止めるわけでも、推奨するというわけでもありません。ただ、突発的に自殺したくなったときに、飛び降りなら、最悪の場合は半身不随や、一生自己導尿生活になる可能性があること、元の顔には戻れなくなる恐れがあることを思い出してほしいのです。 それを承知で自殺をするのなら、仮に未遂に終わったとしても、まだ、自分自身に納得し、受け入れる余地があるでしょう。が、もし死にたいという思いに駆られて突発的に自殺してしまった場合には、一時の気持ちで取り返しのつかない後悔を背負うことになり、それは非常に不本意であり、受け入れがたいものです。それでも、その後の人生は残された機能で生きていくしかありません。完全に元通りになることはありません。 世の中には、死ぬ手段は数多くあります。それらの方法を知ることは、決して実行するためだけでなく「その気になったらいつでも死ねる」という、ある種の精神安定剤にもなり得ると考えます。 本書では、自殺の方法、どのような過程を経て死に至るのか、未遂に終わった場合の後遺症について詳しく解説しています。あなたにとって最高の自殺のマニュアルとなれば、幸いです。