【文庫判(カバーなし)/136ページ】
《こんな人間の日記とやらを読んで果して面白いであろうか。
自信は無いが、金も無いので、矢張続けさせて頂く。あい、宜しく。》
昭和初期ごろ、
架空の文豪・桐堂葉市が新聞連載していたエッセイ……というていのお話。
完璧主義の小間使い、態度がふてぶてしすぎる書生、
アクの強い作家仲間に〝陽の者〟すぎる担当編集。
個性豊かな人びとに囲まれた偏屈な怪奇小説作家の日常を、
さまざまな甘味とともに描いた連作掌編集。
Web再録のほか、書き下ろし一話に加え、
架空の文学史を捏造した「編者まえがき・あとがき」付。