実験体No.666
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研究員の日記:No.666実験記録 1月×日 No.666は目覚めた。白い部屋の中、真っ白な服に身を包んだ少年は、無表情で静かに私たちを見つめていた。その視線には何の感情もなく、ただの「器」のようだった。初期反応は良好。プログラムの反応速度も、身体強化の効果も素晴らしいものだ。 3月×日 奇妙な現象が起こった。テスト中、No.666が微かに微笑んだのだ。それはほんの一瞬のことだったが、間違いなく笑みだった。戦闘が「楽しい」と感じているような表情だ。 私はこの反応に興奮を覚えた。ついにプログラムが戦闘を「報酬」として認識し始めたのだ。これこそが理想の戦闘体の第一歩だと信じている。 6月×日 実験中、No.666が私の方をじっと見つめた。その瞳には冷たい光が宿り、敵を倒すときのような笑顔を浮かべていた。まるで私の心を見透かしているようで、背筋が凍る思いだった。なぜだ?私はこのプロジェクトを成功させるために全てを捧げた。だが、今や私自身が彼の「敵」に見えているのではないかと錯覚してしまう。 7月×日 最後の実験が始まった。これが私の最後の記録になるだろう。No.666は、私たちの作り出した「理想」のはずだった。それが今や、私たち全員を飲み込もうとしている。 白は赤に染まり、笑顔は狂気へと変わる―― 私はただ祈る。彼がこの世界に牙を剥かないことを――だが、その可能性は、限りなくゼロに近いのだろう。 【フリーBGM】と記載のある音源は、下記利用規約・禁止事項をお読みになり同意の上でお使いいただけます。 ▼利用規約・禁止事項 ・イラストの二次利用はお控えください。 ・YouTube Content IDの取得、音楽配信サービス等への登録などは禁止しております。 ・クレジットの記載や利用報告は必須ではありません。 ・個人・商用問わずご利用いただけます。 ・BGMの配布、販売の行為は禁止しております。 ・自身の著作物としてのご利用はお控えください。
