朗読音声『小さな幸せを』
- Digital0 JPY

[台本] 皆さん、知っていますか? 実は、時間というものは取り戻せないんです。 当然ですよね。だって、どれだけ望んでも過去に戻ることはできないのですから。 どうして今こんなお話をするのかというと、最近、身近な人が 「自分の人生に後悔している」と口にしたからなんです。 その方はすでに還暦を迎え、独身で、いつも「俺の老後は孤独死だろうなぁ」とつぶやきます。 私のところへ来ると、決まってそんな話を漏らすので、聞いているこちらは胸の奥がじんわりと寂しくなるのです。 「後悔しないために今を生きる」「今を素敵な時間にする」 誰もが一度は耳にしたことのある言葉でしょう。 でも、実際に“どうしたらいいか”が分からないまま努力して、結局満足できず、 気づけばまた元に戻ってしまう――そんな人も多いかもしれません。 けれど、頑張るのはほんの少しでいいんです。ほんの一瞬で構わない。 幸せの基準は人それぞれ。でも「幸せだと感じようと意識すること」なら誰にでもできる。 私が伝えたいのは、その一瞬一瞬に“幸せ”を見つけてほしいということです。 たとえば今、美味しいご飯を食べているとしましょう。 「ご飯が美味しいから幸せ」なのか、 「ご飯を食べられる環境に自分がいるから幸せ」なのか。 同じ“幸せ”でも、その意味は大きく変わります。 だからこそ、小さなことに幸せを感じられるように。 小さな出来事に“幸せを見出せる心”を持ってほしいのです。 先ほどの方に、私は「どうして今の仕事を選んだのですか?」と尋ねたことがあります。 すると、その人はこう言いました。 「分からない。何も考えずに、気づいたらこうなっていた」 そして続けて、 「何も無いよ。夢も、希望も。時間だけが勝手に過ぎていった」 そう、寂しげに語ったのです。 その言葉を聞いたとき、私は胸が締め付けられました。 この人の周りには“時間の大切さ”を教えてくれる人がいなかったのかもしれない―― そんな思いが頭をよぎったのです。余計なお世話かもしれません。でも、人生は過去に戻ってやり直すことはできない。 たとえ「年齢は関係ない」と言われることがあっても、体の自由が利かなければ、その選択肢も限られてしまう。 だからこそ、今この瞬間を大切に生きてほしい。 人間として、喜びも怒りも哀しみも楽しさも――その全部を感じられることを、ちゃんと喜んでほしい。 なにか無理して挑戦する必要はありません。 できることの中に、小さな幸せを見つけてくれればそれでいいんです。 状況や環境によっては、それすら難しいこともあるでしょう。 それでも――“できるときに、できることだけでいい”。 そうやって、自分の人生を少しずつ優しく彩っていってほしい。 楽しく、素敵に、生きていけますように。 それが、私の心からの願いです。 聞いてくれてありがとう。 受け入れてくれてありがとう。 これからも、どうか素敵な人生を歩んでください。 生きることの喜びに、願いを込めて。 [Voice] 雨燈ほたる [効果音&BGM] BGM:きでんによるAI音楽 by SUNO 効果音:音人 [台本著者] きでん [編集] きでん [ご依頼・ご感想・お問い合わせ] BOOTH内のメッセージでお願いいたします!
