経営経験ゼロの占い師が自分のハコをもつまで
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新書サイズ 118P(中扉、奥付等込) 表紙……フルカラー印刷 アートポスト紙(クリアPP加工) 本文……モノクロ印刷 淡クリームキンマリ くるみ製本・右とじ 「ハコ」=完全独立、自分の拠点。 店舗経営経験ゼロの占い師が、自分の事務所を持つ までを綴った体験談&体験に基づくノウハウ本。 頒布開始日が8月2日とさせていただいているため、事前にご注文いただいた場合は8月3日の発送になります。 一部、試し読み↓ ******** 物件・土地選び 創業を計画する上で、ある程度決めておかないといけないのが、物件や土地にかかる費用だ。なぜなら、設備費用のうち土地・場所代がかなりのウェイトを占めるからだ。テナントなどを借りるなら、家賃だけではなく、敷金・礼金、駐車場代、管理費などもかかる。準備段階で土地にかかる費用と開業後の費用の見通しを把握しておかなければいけない。 それに、あらかじめ物件や土地の契約をしておかなければ補助金や融資の話も進まない。入居契約書を申請先に提出する必要があるからだ。 占いサロンや館などに使用できるのは、空き店舗、貸事務所、事務所やサロンなど事業用として使用可能な借家やアパート・マンションだ。住居用の借家やアパート・マンションは、管理契約の違反になってしまうので借りてはいけない。 住居用兼事業用として賃貸アパート・マンションを借りるのも、契約上違反になる可能性がある。アパートやマンションの一部を事業用にしたい場合は、管理会社や大家と相談する必要がある。 苦行の事業計画書作成と並行して、テナントを探して回っていた。 最初は中心市街地で二十坪ほどのテナントを探していたが、事業計画書を書いているうちに「イメージの建物の規模と家賃では数カ月も事業が持たなさそうだな」と思ったので、市街地から少し離れた場所のテナントや十坪ほどの広さのテナントに絞って探すことにした。 二件、気になった場所があった。 一件目は店舗テナントではなく事務所テナントとして募集していたところだった。 不動産屋に駆け込み事情を説明すると、すぐにテナントの下見も兼ねた大家との面談を手配してくれた。 下見をした建物の印象はよかった。テナントの内部は、イメージ通りの事務所ができそうな雰囲気。落ち着いた空気があり、安心して占いができそうな場所だ。 あとは面談で印象よくして大家に認めてもらえれば、と思っていた。 ここで突然だが、思い出してほしい。昔の、地方の……いや富山での占いの印象はあまりよくなく、異物扱いされていたということを。 大家の顔つきはわかりやすく曇っている。 「占いってことは、怪しい人じゃないよね?変なところと繋がっている人にはちょっとね。」 「いえいえ、そんなことないです。自分の仕事は変なところとは繋がっていないですし、高額な塩とか水とかも売っていません。それに私の仕事は占い鑑定だけではなく、大手のメディアでの原稿の執筆も行っております。このサ……。」 大家がかぶせて言ってくる。 「そういっても占い自体が怪しいよね。本当にあなた、大丈夫なの?」 「大丈夫です。ちゃんと開業届も出してますし、それにこのサイトを見ていただいたらわかりますが、このように活動していて身元も明確でして……。」 携帯をとりだし、経歴やライターとして活動しているメディアのサイトをみせながら、ひとつひとつこれまでの仕事を説明をする。 「ふーん。仕事の内はわかったけどさ。ここ事務所だから、お客さんには大勢で来てもらいたくないんだよね。大きな看板とか派手なステッカー貼るのはやめてよね。」 「あとさ、ローマ字や英語のような横書きの屋号じゃないよね?そういう屋号のテナントには、部屋は貸せないからね。」 それらの言葉に、私は唖然とした。 下見したテナントの周りには、大きな看板を掲げたサロンや派手なステッカーを貼った事務所が立ち並んでいるのだ。ローマ字や英語のような横書きの屋号の店舗や事務所はもちろんある。言ってるそばから矛盾している。 ああ、これは。間違いなく「ここに占いのテナントを入れたくない」と思っている。 「まず、私のところには人に言えないことを相談しにくる方が多いので、お客さんは派手な外観は好まないと思います。大きな看板やステッカーがあると目立ちはしますが、入るときに目印がないと困るかもしれません。ステッカーは場所の認知には必要だと思うので貼らせていただきますが、派手なものや大きいものは貼りません。看板は掲げません。 事業者名をみていただいたらわかると思いますが、屋号はひらがなと漢字で構成していて、ローマ字や英語のような横書きの屋号ではありません。 占いは詐欺だとか人を寄せ付けないだとかのマイナスなイメージはありますが、イメージ通りの行動はこちらは一切しておりません。ここを借りたとしても絶対に行いません。 諸々ご安心していただきたいです。」 そういって大家を説得し、大家に言われたことをすべて飲むというかたちで契約書をもらった。 話の終わりに、 「いつ入居するの?」 と聞かれたが、このときは二度目の事業計画書の作成中で、完成して商工会の職員から太鼓判をもらったらすぐに申請するつもりだったので、 「融資の話を進めている最中なので、審査が通り次第すぐに契約書を書いてお送りします。」 と伝えた。 「そう、なるべく早く持ってきてね。」 と言われたその言葉にも、嫌悪の棘がみえたのだった。 *******


