東京銀経社アンソロジー 真子と鏡 PDF版
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九頭見灯火が自主公募にて集めた作品14編からなるSFを中心とした総合アンソロジー。 エンタメ作品として面白いか、あるいはSFとして驚きがあり、面白いかのみを基準として選び抜きました。 表紙イラストレーター: roncele ロゴデザイナー: 秋待諷月 【収録作品】 蒼桐大紀 「世界のすべてとわたしのありか」 世界的な感染症の大流行とそれに伴う混乱から生じた世界的な紛争を経て、人類が衰退した世界。 シリンダーベイビー、生まれながらの兵士として生み出された立野風音(たての かざね)は、仲間たちとは異なる特徴を持つ自身の容姿にずっとコンプレックスを抱いていた。自分の起源を知りたいと願う彼女は、親友の協力を得て「世界のすべてがある」と言われる図書館を目指すのだが……。 Yohクモハ「植叢(うぇる)びーいんぐ」 植物を身体に植えることがファッションとして定着している近未来。一方、食料を人間の身体で生産することは国の施策でもあり、終末期医療との絡みもひそかに勧められていた。 バイオパンクの示す驚きの選択。人間は地球と共に歩むのか、それとも人が人を食う世界は終わらないのか。一人の若い女性の葛藤を通して描く思考実験SF。 秋待諷月 「生き急ぎの幽霊」 「タイムマシンを作っちゃった」。変わり者の兄が発明したのは、時間をスキップして物体を未来へと転送する前代未聞の装置。だが、兄は突如として失踪。その後、兄が勤めていた企業から同じ装置が発表され、世界中で「時間のスキップ」が社会現象になっていく。兄の失踪にその企業が関わっていると睨んだ高校生の妹は、友人たちとともに真相究明へと動き出す。 七名菜々 「スティール・ストーク・ストローラー」 最強の殺し屋・仁和(にわ)が、ある日突然引退宣言をした。その理由は『パパになるから』。 危ない仕事はもうしない、と言って運び屋に転身した彼は、新婚旅行がてら身重の妻を連れて浮かれる足で初仕事へ旅立つ。しかし行く先々で謎の襲撃が相次ぎ、二人のイチャラブハネムーンは前途多難な幕開けを果たすのだった。 九住龍 「忘れにし夏」 高次元断層――、空間が乱れ繋がる事象。それは準安定状態から相転移した超高高次元化に陥る宇宙の原始的な姿への回帰だった。この宇宙に残るのは、私から見た二人の男の子の記憶だけだ。私は、宇宙に記録された二人を思い出し、初恋を思い出す。どこかで死んでいないけれど会いたい人を、心を通わせた遠い追憶を、時間はやがて動き出す―― 洛杜きんるい 「フェリスの星」 祖父と父を亡くし、古びた喫茶店を継いだブノシ。けれど、コーヒー知識もなく、店も閑散としていた。内職を続ける日々を送っていると、「ホシ」と名乗る不思議な女性が現れ、「昔会った」と告げた。やがて彼女の正体がネコ座の化身と明らかになり、ブノシは幼い日の忘れ物と向き合う。星と猫が結ぶ小さな約束を果たしたとき、ブノシは人とのつながりや仕事の喜びを見出していく。 蒼井どんぐり 「雪宙花火」 雪と吹雪に閉ざされた世界。 第七コロニーで暮らす少女トウカは、親友ユキとともに、灰色の日常に宿るわずかな色を見つけながら過ごしていた。 過去の記録にあった「花火」という言葉、そして人類の未来を担う外圏探査が、二人の関係を少しずつ変えていく。 白い世界に色彩が希望を灯す、小さな反抗と祈りの物語。 渋皮ヨロイ 「最低魔女とマシマシメンメン」 三回くしゃみをしたらタヌキになる。 そんな魔法を姉からかけられて、僕は灼熱の夏でもマスクを外せなくなった。おかげでクラスメートから注目を集める羽目に。毎日のようにくだらないあだ名をつけられ、雑にいじられる。ままならない学校生活の中、理不尽な姉の暴走は続く……。 嶌田あき 「プラネタリウムみたい」 星は消えても、光は届く――プラネタリウムに通うユカは、想いを寄せたリョータに「恋人がいる」と告げられ、その半年後、彼を病気で失った。傷を抱えたまま幼馴染カイトに支えられる日々の中、遺品整理で見つかった鍵付きの原稿には、誰にも明かせなかった本当の想いが綴られていた。届くはずのなかった光が、時を超えて静かに、確かに届く。 八月休希 「タイタンにあがる月」 核融合推進機関を持つ運び屋の計は、地球政府から余命六か月の少女をタイタンに運ぶことを依頼される。人体実験にされる少女は心を閉ざしていた。彼女の笑顔を取り戻すため、計と軌道制御コンピュータは彼女に船を操作する魔法の言葉を授ける。四ヶ月以上かかるタイタンまでの旅路。時間との勝負、迫る危機。そして驚きの結末へ。 萬朶維基 「万事調和(クッル・シャイイン・フィー・インシジャーム)」 2025年10月、千葉県四街道市のアフガニスタン人コミュニティ内で行われた《悪魔祓い》の一部始終を撮影した映像記録の文字起こし。日本、韓国、中央アジアの過去と現在が交錯し、そして《虐殺》の世界の向こう側から虚構を越えて、あの人物が幻出する。 柏沢蒼海 「ダイハードマン・コントラクト」 合衆国の地方、ウルフタウン市警のSWAT隊員である〈タケル・ホンドウ〉は疲れ切っていた。 ウルフタウンでは原因不明の市民による暴動が発生していた。度重なる出動、それでもタケルは任務を全うする。 突然の通報、部隊の出動。現場になった研究所には……少女が入ったカプセルが見つかった。 中に入っていた少女〈イヴ〉、街に広がる謎の影、ウルフタウンと市警の命運は――?! 阿下潮 「プラセンタ」 ――胎盤食をご存じですか? 信州地方のとあるマタニティクリニックで、出産を終えたばかりの二人の産婦が、食べるはずの胎盤を取り違える事件が起きた。フリーライターの伴帆乃香は、二人がなぜ自分の産んだものではない胎盤を食べることになったのか、動機解明のため取材を進める。関係者へのインタビューに見え隠れする違和感。歴史ある女子高に伝わる血の儀式。娩出される真相と廃棄された夢想をつなぐ臍帯は、一篇の小説だった。 六塔掌月 「真子と鏡」 主人公の真子はある日の夜、鏡に自分の姿が写らないことに気がつく。翌朝から真子の鏡像探求が始まった。街をさまよう内に彼女は自分と同じ顔をしたもうひとりの女を発見する。女を追うと真子はこの世の場所ではない奇妙な館へと足を踏み入れることになった。そこで彼女はさまざまな冒険を繰り広げながら必死で自己の鏡像を取り返すために戦う。古典「影をなくした男」や「大晦日の夜の冒険」に霊感を受けて作られた現代ファンタジー。 アニマ・ソラリス賞 SFウェブジン、アニマ・ソラリスとの協賛のもと、アニマ・ソラリス賞が決定しました。ほかアニマ賞・ソラリス賞の発表。アニマ・ソラリス賞受賞の言葉を掲載。
実力派執筆陣による夢の競演!
商業媒体でも活躍するYohクモハ、嶌田あき、日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024最優秀賞の秋待諷月など、ウェブやコンテストで活躍する書き手が結集。 SFのみならずブルーライト文芸、百合ホラー、アクションといった総合誌の趣です。
総ページ数854ページの厚さ。
読み応えばっちりの厚さは「東京銀経社アンソロジー いつかあの空を越えて」の頃から変わりません。 ダウンロード版ですので、場所を選ばず、様々なシーンでお読み頂けます。(ファイルサイズ、4.16MB)
