シナリオ講座4 TRPGリプレイ台本の書き方
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コミックマーケット108にて頒布された「シナリオ講座4 TRPGリプレイ台本の書き方」の電子版です。 ■仕様 ・PDFファイル ・96ページ なお、コミックマーケットにて同人誌を購入された方は、無料で電子版のダウンロードが可能です。 ダウンロードの後、同人誌p75にある「例えば、同じ技能でも~」の後に続く「技能」の名前「〇〇、漢字2文字をPASSとして入力し、zipファイルを解凍してください。 -------------------------------------------------------------------------------------- 【ご挨拶】(本文より抜粋) いきなりですが、皆さんは「TRPGリプレイ」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。 かつてTRPGリプレイといえば、セッションの様子を文章に起こした読み物を指すことが多かったように思います。 プレイヤーとゲームマスターの会話があり、キャラクターの台詞があり、ルール処理があり、時には地の文や解説も加えられた、いわば「読んで楽しむTRPG」でした。 しかし昨今では、「TRPGリプレイ」という言葉は、テキスト形式の読み物よりも、動画形式のリプレイを指して使われることが多くなってきました。 実際、「TRPGリプレイの作り方」といった言葉で検索してみても、出てくるのはリプレイ動画の作り方、動画編集ソフトの使い方、立ち絵の動かし方、字幕の入れ方、音声合成ソフトの使い方、画面レイアウトの組み方といった、動画制作の技術面を扱う情報が多いのではないでしょうか。 もちろん、それらはとても大切です。 見やすい画面。聞き取りやすい音声。分かりやすい字幕。魅力的な立ち絵。テンポのいいカット。雰囲気を盛り上げるBGMや効果音。 リプレイ動画を作るなら、そうした技術は避けて通れません。 ですが、ここでひとつ見逃してはならないことがあります。 セッションログをそのまま動画にしても、読者・視聴者に面白さが伝わるとは限らない、ということです。 実際のTRPGセッションは、遊んでいる本人たちにとってはとても楽しいものです。 しかし、ログとして見返してみると、意外なほど冗長だったりします。 作戦会議が長い。同じ確認を何度もしている。雑談が挟まる。ルール確認で流れが止まる。キャラクターの発言とプレイヤーの発言が入り混じる。重要な会話が前後している。その場では大爆笑だったやり取りが、文字にすると何が面白かったのか分からない。 これは、実際のプレイが悪いという話ではありません。 TRPGは、その場にいる人間同士の遊びです。 その場の空気、表情、間、声の調子、プレイヤー同士の関係性、そこまでの流れがあって、はじめて面白くなる瞬間がたくさんあります。 ところが、リプレイとして第三者に届ける時には、その「その場にいたから分かる面白さ」を、読者や視聴者にも伝わる形に変換しなければなりません。 そこで必要になるのが、ログ編集です。 実プレイでは冗長になった場所をカットする。余計な雑談を削る。キャラクターの行動を分かりやすく整理し直す。前後している会話を、読者に伝わる順番へ調整する。誰が何を考えて、何を選び、どういう結果になったのかを見えやすくする。必要に応じて、ルール説明や状況説明を補う。逆に、説明しすぎてテンポを損なう部分は削る。 こうした作業を経て、はじめてセッションログは「リプレイ」になります。 本書で扱うのは、まさにこの部分です。 動画の作り方ではありません。動画編集ソフトの使い方でもありません。立ち絵をどう動かすか、字幕をどう出すか、合成音声をどう調整するか、といった技術については、本書では基本的に扱いません。 そのあたりは、もっと詳しい方々が、もっと便利で実践的な情報をたくさん共有してくださっています。 動画制作のアンチョコは、そちらにお任せしましょう。 本書で語るのは、そのさらに手前にあるものです。 リプレイ動画の芯の芯。リプレイ読み物の根幹。 つまり、「リプレイ台本」の作り方です。 どの発言を残すのか。どの発言を削るのか。プレイヤー発言とキャラクター台詞をどう分けるのか。 GMの説明をどこまで載せるのか。ルール処理をどう読みやすくするのか。 セッション中の出来事を、どの順番で提示すれば読者に伝わるのか。 実際には混沌としていた卓の流れを、どうすれば「面白い読み物」として再構成できるのか。 そうした、テキストで書かれていた時代から積み重ねられてきた技術を、現代のリプレイ制作にも使える形で整理していきます。 リプレイ動画を作りたい人にも。テキストリプレイを書きたい人にも。セッションログを読みやすく整えたい人にも。自分たちの卓の面白さを、外に向けて届けたい人にも。 まず必要なのは、派手な編集技術より前に「何をどう残せば面白さが伝わるのか」を考えることです。 本書が、あなたのセッションログを、ただの記録から、誰かに届くリプレイへ変える助けになれば幸いです。 なお、本書は通巻で4巻目となっていますが、1~3巻にあるリプレイを作るのにも必要なノウハウはこの一冊に収めています。安心して4巻から手に取ってみてください。



