動くメロンパン教経典 -電子版-
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あなたは、動くメロンパン教という宗教をご存知ですか? 知らなくていいです。内輪ネタみたいなもんです。 我々「動くメロンパン教」はたしか2014年の夏ごろに生まれた新興宗教です。 名前からして「どうせ動くメロンパンを崇める宗教なんだろ?」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。キリスト教が何もキリストを崇めているわけではないのと同じです。空飛ぶスパゲッティなんたらとも無関係です。 もちろん国から認可もされてません。 「動くメロンパン教」の信仰対象は「最高にくだらない命題の中に隠れた神秘を見出そうとする行為そのもの」であり、いわゆる神様的な概念は存在しません。強いて言うなら自らの心に神様を生み出す、そんな宗教です。 この宗教は「動くメロンパンのパラドックス」という命題から生まれました。 そのパラドックスとは、「メロンパンがある。メロンパンが動いている。これは矛盾である」という、とても簡潔なものです。 メロンパンが動く、そんなことは普通ありえません。しかし現に動いている。これは一体どういうことなのか……? その原理を探った結果、メロンパンはサンライズと化し(※地域による)、まるで日の出のごとく空へと昇っていく――つまり、負の質量を持っている物体であることが判明するのです。 メロンパンが動いたと思ったら、宇宙の根幹さえ揺るがしかねない驚愕の事実が導き出されてしまった……これが神秘でなくて何なのか。我々はかような神秘に感動し、「くだらなさ」の中にこそ重大な真理を見出すことができるのです。 「動くメロンパン教」は信者を求めていません。 僕は勝手にしてるので皆さんも勝手にしてくださいって感じです。 そのため新興宗教などと名乗っておきながら新興宗教らしいことは一切していません。 お金も集めていません。でもぶっちゃけお金は欲しいです。金欠なんです。すいませんなんでもないです。 という風な適当さなので、どうぞ自由に入退場してください。そういう宗教です。 動メロ教に入ったらやることはひとつ。 「最高にくだらない命題を考え、それを神秘的に解き明かす」。 そこに自分だけの神々しい何かを発見できたなら、それはきっと「神様」よりも強く、あなたの心を支えてくれることでしょう。