長編小説。 ―――　僕たちは音楽でつながっている　――― コンサートで協奏曲をやるんだが、 真一、 おまえ一緒にやらないか？ だめのこと好きなら好きってちゃんと言ってくだサイ。 言わないと伝わらないことだってあるんデスヨ？ 音楽という大海原に、僕たちは小さな舟で漕ぎ出す。 迷いながら時に漂い、それでも前に進み、すれちがって、汽笛を鳴らし合って、ともに並んで…… 真夏の横浜。三善家の墓参に訪れた千秋が見たのは、祖父の墓に丁寧に供えられた煙草だった。 銘柄は、祖父が好んで吸っていたゴロワーズ。 けれど千秋は祖父以外にもそれを好む人物に覚えがあった。 なぜ、あいつが―――！？ 蓋をしていた父への想いを見つめ返す時。 のだめを誠実に愛するためにも、 それは向き合わざるを得ない想いだった。 千秋とのだめの心情と、シュトレーゼマン、ヴィエラ、そして雅之と征子たちを丁寧に描く恋と音楽の物語です。 【仕様】 2011年８月発行。 120ページ　A5版 表紙：フルカラー　本文：モノクロ