街には奇妙な噂話が流れている。 曰く、この街には『魔術師』が住んでいて、子供たちに『魔法』を教えてくれるのだ。 しかしその代わりとばかりに、魔術師は街の人間を攫い、人知れず喰らっている。 数年前から行方不明事件の相次ぐこの街で、彼女だけは知っている。 『魔法』は本当にあるのだという事。 けれど、本当に人を喰らっているのは、とある××である事。 忘れないで。 その声はまだ、聞こえるのだから。