【3Dモデル】異常物体"笑うな"
- Digital300 JPY

「笑うな」 「おまえが笑えば、おれが泣く」 🪵 異常物体シリーズ - No.03 『笑うな』 ■ 外観 本物体は、一枚の木製仮面である。 表面は灰色がかった古木で構成されており、荒く削られた木目には長年の風雨や炎による侵蝕の跡が刻まれている。部分的に黒焦げたような箇所も見られ、削り痕と焼け跡が複雑に交錯する様子から、意図的な破壊と封印の痕跡が推察される。 彫刻は非常に粗く、目と口の開口部はゆがみを帯び、見る角度によっては仮面がわずかに笑っているように錯覚される。 鼻梁はわずかに隆起しているものの、左右の対称性が顕著であり、顔の「狂い」が意識的に作られたものではないかという見解もある。 ■ 異常性 この仮面は、人間が装着すると直ちに制御不能の笑いを引き起こす。 最初は乾いた微笑のように始まり、やがて唇が引きつり、笑いは断続的な痙攣を伴う爆笑へと変質する。 多くの被験者は数分以内に呼吸困難、意識消失、最終的には窒息死もしくは脳血管損傷によって命を落とす。 仮面を外しても、死亡者の顔は皮膚が裂けてもなお笑顔のまま固定されており、その表情は快楽とも苦悶ともつかぬ不気味さを持つ。 さらに、死亡した人物の遺体を仮面の近くに安置した場合、死後24時間以内に笑い声に似たささやきが周囲に響く現象が確認されている。 この音声は録音機器では記録できず、聞こえた者ごとに声色が異なることが報告されている。 ■ 発見情報 本物体は██県██山の旧神社跡地にて発見された。 仮面は、地面に打ち込まれた石碑の裏側に、裏面を外に向けた状態で麻縄によって貼りつけられていた。 その姿はあたかも、仮面の「顔」が見られることを避けようとする意志があったかのようだった。 石碑の表面は焼け焦げ、何らかの火災によって部分的に崩壊していたが、微かに墨の痕跡が残されていた。解析により以下の記述が浮かび上がっている。 「この顔を見るな」 「この声を真似るな」 「笑うな」 周囲では、江戸期の古文書に「笑面(わらいづら)信仰」なる風習の記録が断片的に残されており、笑いを禁じ、仮面を焼いて埋めることで災厄を封じるという異様な儀式が行われていた形跡がある。 ■ 考察と補遺 この仮面が引き起こす“笑い”は、決して喜びではない。 それはまるで、他人の感情を模倣しながら、「人間であること」を強いられている何かの苦しみのようである。 仮面が笑っているのではなく、見る者の心を笑わせてくるのだ。 「笑うな」という警告は、見る者への忠告なのか、仮面自身の悲鳴なのか、 それとも……仮面の中に閉じ込められた誰かの言葉なのか。 ■ 使用上の注意(創作設定) 本作品は「異常物体シリーズ」のフィクションアイテムとして制作されたものです。 このアイテムを装着した場合、周囲に笑い声が聞こえても決して振り返らないでください。