短篇小説集『piece』
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5作の短篇小説を収録。 〈君の手〉 クリスマスの日の朝、君からクリスマスのメッセージが届く。僕は君と手を繋いだときのこと、そしてその手を鮮明に思い出した。 〈夜の乱文〉 電話を切って一時間経っても、君の声は僕の耳に残っている。静かな夜、自室でひたすら君を想っていると、脳内で勝手に言葉が生まれ、紡がれていく。それは思考よりも、あるいは本質に近い言葉なのかもしれない。 半自動記述的に書かれた私小説。 〈どうにもならへん〉 あんたとあたしは「結婚すると思ってた」けど、同棲して二年半が過ぎ、当初の希望はいつしか苦しみに変わっていた。そしてなぜだか今日、「もう終わりでいい」とあたしは思った。 〈恋(仮)〉 二十五年間、私は恋ばかりしてきた。そんななか、何度も同じ男を好きになった。彼に恋するたび、魅かれる部分は異なった。 人の一部を好きになることは恋と呼べるのだろうか? 人の全部を好きになることが恋だろうか? 私はそんな疑問を抱くのだった。 〈君をゲロごと抱きしめる〉 君は憎たらしい心の病気によって、明日の新幹線で京都の実家に帰ってしまう。僕と君は明日からは恋人じゃない。けれど、明日までは恋人。 ふたりは晩酌をしながら最後の時間を過ごす。言葉を交わし、触れ合い、そして歌う。