Under the rose
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あのシズル・ヴィオーラ―に強烈な恋敵が出現!? 舞-乙HiME本。小説本。188P web再録本 シズナツ。二人が学生時代のお話です。 オリジナル設定、オリキャラが出てきます。 ブログで連載していたものを別物になるくらいに加筆修正したものです。 【ストーリー】 休暇中に出席したあるパーティでシズルはナツキの伯母と出会う。 彼女はハルカと舞衣を連れてナツキが滞在する城にこないか? とシズルを誘って来た。 招待された三人がナツキに会いに行くと、そこにナツキに求愛する人物が現れて……。 こちらでも本文の一部が読めます。 pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24982549
Under the rose 本文サンプル
ブログで連載していたものを加筆修正したものです。 http://zirudorarosyeru.blog.fc2.com/blog-entry-1.html ここからwebで連載していた全話を読めますのでどうぞ。 以下あらすじとサンプルです。↓ トリアス№1のシズル・ヴィオーラは一人、バルコニーで火照った頬を夜気で冷ましていた。空を見上げるとそこには綺麗な三日月が浮かんでいて、彼女は思わず溜息を零してしまう。 吐き出した呼気には微かにアルコール成分が含まれていた。 それもそのはずで今夜、彼女はマルグリット家主催の夜会に招待されていたからだ。 本来ならこの夜会にはエスコート役の父と一緒に出席する予定だったが、出発直前にどうしても外せない急用が入り、急遽、シズル一人での出席になったのである。 会場で父の友人や知人に一通りの挨拶を終えるとシズルは誰もいないバルコニーで一休みしていた。 学園が休暇に入っていなければこのような面倒な場に顔を出さすに済むのだが、まあこれも良家に生まれた者の務めだから仕方がない。 シズルはシャンパングラスを傾けながら、故郷に帰省している愛しいあの子、自分のお部屋係のナツキ・クルーガーに想いを馳せた。 (今頃、ナツキはなにをしてはるんやろか? ああ、逢いたいどすな) しばらくの間、彼女が自分の傍にいない状態が続いていて、己の中のナツキ成分が枯渇しかかっているのを自覚していた。 正直、このままでは干からびてしまいそうである。 我慢出来ないのなら、ナツキに逢いに行こうか? あの可愛い子を抱きしめてキスをしたい。 出来ればキスをするだけでなく、押し倒して服を脱がせ、まだ何も知らない彼女の体に自分の唇と指先を這わせて……と涼しい顔で不埒な妄想を膨らませていると一人の女性がバルコニーにやって来た。 「あなたがシズル・ヴィオーラ?」 「ええ、うちがシズル・ヴィオーラどす」 頷きながらシズルは女の美しさに目を瞠る。 年の頃は三十代半ばくらいだろうか。 背が高く、やや吊り目がちの青い瞳の持ち主で、その髪の色は豪奢な金だ。それを綺麗に結い上げ、リボンもフリルもレースも付いていないスレンダーなラインの黒のイブニングドレスを着ている。 アクセサリーは大粒の真珠のイヤリングに三連の真珠のチョーカー。 真珠は黒いドレスにもっとも映える宝石で、そして肌の美しさを引き立てさせる。鈍い虹色の輝きは白さを通り越し、そこから青い光を放っているような彼女の肌によく合っていた。そしてプロポーションも完璧。 少し前の自分なら一晩の相手として誘っていたに違いない。 そう思いながら目の前の黒衣の貴婦人の品定めをしていると、向こうも同じことをしているらしく、古い楽器を点検するようにシズルを注視している。 遠慮の欠片もないその視線を嫣然とした笑みで受け止めていたら、黒の麗人はふっと目元を緩ませて呟いた。 「ふうん。確かに噂通り、そこそこの美人ね」 「おおきに。よお、言われますわ」 笑みを崩さずにシズルは答えた。