胎蔵曼荼羅を想う

『曼荼羅』とは何か。 宇宙の事だと母から聴いていました。 最初はシンメトリーな絵が美しいと感じ、線対称を使ってオリジナルのものを描いたら面白いと思いました。 解説を読み進めると、母の言った事がようやく理解出来るようになりました。 曼荼羅は『宇宙の法則』そのものだという事をです。 光の存在である大日如来から慈悲の心が芽吹き、四方の菩薩たちに広がっていき、やがて全体を満たしていきます。 それが『胎蔵曼荼羅』です。 中央の中台八葉院、大日如来の四方に坐す四如来は、発心、修行、悟り、実践を表し、お釈迦様の歩みそのものです。 何かしてあげたいと思い起こし、何が出来るのか探して学び、それを会得し、そして実行します。 最も大事なことは、すべての始まりは慈悲の心だということです。 これは特別なものではないと言うのです。 誰もが生まれ持っているものだと言うのです。 あらゆる人々の心の内に。 あなたの内にもこの『宇宙』は在るのです。 それを知ってほしいと思い、絵を描きました。 それは時に影無き光で温かく包み、時に炎の如く叱咤し、我々を導きます。 そのすべてが『慈しみの心』から生まれるもの。 宇宙は『愛』で出来ています。 それに氣付くだけで良いのです。 それだけで世界は変わります。 かつて、この一曲を世界が知れば平和になるだろう、と思える歌に出逢った時のように、 この一枚の絵を知れば光溢れる世界になるだろう。 そう思いました。