これは、夜眠れぬ乙女に捧ぐ、祈りの物語。

ドイツの古い民話『手なし娘』をもとに、幻想と現実のあわいを綴ったZINEです。イラストよりも文章が多めの構成です。 以前は「98帝国」というサークル名で活動していました。それは、「自分と、もうひとり。たったふたりでも生きていける」という祈りのような願いを込めて、冥府のような心の底で書き続けていた時期の名でした。 ようやく私は冥府を抜け出し、 「誰かの心に、そっと祈りを置ける場所」として、今の『偶像神話』を名乗るようになりました。 このZINEに描かれるのは、母と娘の物語。 愛が呪いにもなりうるその関係に、抗いながら生きる少女の姿を通して、母との関係に悩む誰かが、ほんの少しでも心を解かれるよう願いを込めました。